「漫画『飯飯飯飯(めしめしめしめし)うっせーわ!』の、最終回(結末)までのネタバレ&レビュー」
をご紹介していきたいと思います!
「話のおさらいをしたい」
「これまでの話の流れを簡潔に知りたい」
という方はぜひご覧ください。
あらすじ・レビューにネタバレを含みます。
セリフは省略しているため一語一句同じではありません。
ご了承ください。
- 登場人物紹介
- ①食事の時間こそ至福!それなのに…
- ②モカのせいで3kgも痩せた
- ③私もうご飯作らない!!
- ④同僚に非難されたけんと、しかし…?
- ⑤ねぇ、赤ちゃんに興味ないの?
- ⑥「甘えるな!」後輩に説教されたけんとだったが…
- ⑦モカ、ついにストレスで壊れる
- ⑧父親の自覚が芽生えたけんと?しかし何もかも手遅れ
- ⑨離婚に向けて動くモカ
- レビュー・感想
登場人物紹介
最初に主な『登場人物』を紹介しておきます。
餅原 けんと(27):夫、食事が趣味
餅原 モカ (29):妻、料理上手
①食事の時間こそ至福!それなのに…
※「1話~8話」辺りまで
食べることが大好きな会社員のけんと。
そんなけんとは、料理上手な女せいのモカと結婚した。
『毎日妻の美味しいごはんが食べられて幸せ…!』
と自身の幸福を噛み締めるけんとだったが、結婚から2年目、急にモカの料理が質素になった。
それはモカが妊娠したためだった。
つわりが酷く食事の用意がしんどくなってきたモカは、仕方なく食事をカンタンなものに変えたのだ。
しかし、
「つわりが酷いから…」
と言われたけんとは、それを納得できなかった。
『大袈裟に気分悪いアピールなんてしちゃって…ただの手抜きなんじゃないか?』
と内心で酷い悪態をつくけんとは、
「俺はモカのごはんを食べるのが唯一の幸せなんだよ…だからさぁ、もうちょっと頑張れない?」
と、妊娠しているモカに向かってヘラヘラと「今まで通りの料理を作ってくれよ」と要求する。
そんなけんとにモカは呆れ、
「…あのさぁ、誰の子妊娠してると思ってるの?つわりで苦しむ私を見てよくそんなことが言えるね。
文句あるなら食べなくていいから、自分で好きなもの作って食べていいよ」
と、冷たくあしらう。
「自分で好きなもの作って食べていいよ」と言われたけんとはあからさまにムッとする。
というのも、けんとは食べることは好きだけれど料理はからきしできなかったからだ。
それどころか、ジャンクな食べ物も外食も受け付けないけんと。
けんとはただ『食べることが好き』なのではなく、『凝った家庭料理を食べることが好き』なのだった。
そのためモカ以外でこの欲求を満たせないけんと。
そんなけんとにとって、モカの妊娠中は地獄のような日々なのだった。
②モカのせいで3kgも痩せた
※「9話~29話」辺りまで
そんなある日、けんとは質素な食事が続いたためか3kg痩せる。
体重計を見たけんとは、
『3kgも痩せてる!?このままじゃ体調崩しちゃう!』
と慌て、
「モカ!俺90kg切っちゃったよ!?どうしよう!?やっぱりモカにはもっと栄養のあるものを作ってもらわないと!」
と、喜々としてモカに報告する。
『これで今まで通りのご飯を作ってもらえる!』と大義名分を得たつもりのけんとだったが、しかし元々太り気味だったけんとに、
「…いや、元々肥満体型だったでしょ。痩せたんならよかったじゃん」
と、モカは呆れたように返す。
思っていた反応と違ったモカにけんとは焦るが、そんなけんとに、
「ひとつ約束して。これからは手抜きご飯や惣菜が出ても文句言わないで。
今度文句言ったら本当にもう作らないから」
と、モカは怖い顔で釘をさす。
まったく料理ができないけんとは、このモカの言葉に渋々ながらも頷くしかないのだった。
③私もうご飯作らない!!
※「30話~34話」辺りまで
『文句は言わない』と約束したものの、相変わらずモカのご飯が簡単なものだと、
「あー…、仕事忙しかった?うん…まぁ…」
「あー…、今日は惣菜なんだ、そっかー、ふーん…」
などと厭味ったらしく顔をしかめるけんと。
決定的な文句は言っていないものの、これでは言っているのと同じだった。
そんなけんとに流石にモカも腹が立ち、
「もう何なの!?自分はまったく作らないくせに私には文句ばっかり!
…だいたい家事の負担割合もおかしいのよ!
結婚前は『モカが料理を頑張ってくれるならそれ以外の家事は俺が頑張るね』って言ってたのにいざ結婚したら何もしない!それを注意しようもんならあからさまに不機嫌になる!
もう子供も産まれるんだから私はけんとの世話ばっかやってらんないの!」
と、怒りの形相でけんとに怒鳴る。
しかしそんなモカの怒りもどこ吹く風といった感じで、
「えー、俺世間の旦那より家事やってる方だろ?
だからモカもメシくらいはうまいもん作ってよ、俺はそれで仕事頑張れるんだから、ね!」
と、けんとはヘラヘラと言い返す。
何も響いていない様子のけんとにモカはブチ切れ、
「…やだ。
もう飯飯飯飯うるさいっ!!私もうご飯作らないから!!明日から自分のご飯は自分で何とかしてよね!!
自分の言ってることよくよく考えて!」
と涙ながらに怒鳴り、呆気にとられるけんとをひとりキッチンに残して自室へと引っ込んでしまう。
※「35話~52話」辺りまで
モカにご飯を作ってもらえなくなったけんとは、会社の同僚にそのことを愚痴る。
「家庭的だから結婚したのに、ご飯作ってくれなくなるなんてありえない!」
と散々愚痴るけんとに同僚は困ったようにうんうんと頷いていたが、話の途中で『共働き』『奥さんは妊娠中』とわかると同僚は、
「妊娠中!?マジでメシくらい自分で作れよな!」
と、突然人が変わったように烈火のごとく怒り出す。
「奥さんの体調よりも自分のメシの心配とかマジ引くわ!
というか、自分の子を産んでくれようとしている奥さんを労ろうとか思わないのか?お前そのうち離婚されるぞ!」
と他人事ながら真剣に怒る同僚に、それでもけんとは、
「いやだって仕事には行けてるんだし…俺料理できないし…。
というかメシごときで離婚とかあるわけないだろ…」
と、まだグチグチと言い続ける。
結局けんとは第三者におかしいと非難されてもまったく響かないのだった。
⑤ねぇ、赤ちゃんに興味ないの?
※「53話~57話」辺りまで
モカに料理を作ってもらえなくなってから外食ばかり食べていたけんと。
しかし、
『…もういい加減美味しくない外食にもうんざりだ』
と数日で音を上げたけんとは、
「ねぇ、料理作ってよ。ほら焼きあごだしプレゼントしてあげるからさぁ。これで美味しい料理チャチャっと作ってよ!」
と、しょう懲りもなくまたモカにヘラヘラと料理を催促する。
そんなけんとに、
「…いい加減飯飯言うのやめてって言ってるでしょ」
とうつむきながら静かに言うモカは、そのままプルプルと震えながら、
「…私の出産の話や子供の話は全部スルーなくせに。
…ねぇ、何で子供のせい別すら聞いて来ないの?…興味ないの?」
と、絶望したような悲しげな顔をけんとに向ける。
しかしそんなモカの顔を見ても、
「えー、興味って…まぁ産まれたら産まれたで可愛いだろうなぁーとは思うけど」
と、けんとはまったく興味のなさそうな顔で悪気なく答える。
本当に食べること以外には興味がなさそうなけんと。
妻が怒っていようが悲しんでいようがどうでもよさそうなけんと。
そして恐らく子供が産まれても、その子供すらどうでもいいと放置しそうなけんと。
モカはそんなけんととやっていくのがいよいよ不安になり、
「…私このままじゃ心がもたない。
…もう離れたほうが楽なんじゃないかって思う」
と悲しげに言い、けんとに離婚を匂わせる。
離婚を匂わせられたけんとは、
「は!?俺が変わらなきゃ離婚するぞって脅してるつもり!?そのやり方はどうなの!?」
と、焦りつつもモカを威嚇する。
そんなけんとに、
「…真面目に聞いてくれないなら別にいいよ。…でも脅しじゃないから」
とモカは毅然と言い、焦るけんとを残してその場をあとにする。
※「58話~最新話」辺りまで
モカに離婚を匂わせられたけんとは、翌日会社の飲み会でそのことを愚痴る。
「ヒステリー起こしやがって!俺はただ手作りのうまい飯が食いたいだけなのに!それさえ聞いてくれたらこっちだってもっと優しくしようとか思えるのにさぁ」
とくだを巻くけんとに、
「…餅原さんって何でそんなに飯にこだわるんですか?何か執着しすぎてて怖いっすよ。
…結婚前はどうしてたんですか?」
と、近くに座っていた後輩はドン引きの顔で聞いてみる。
そんな後輩に、
「実家で母親の飯食ってたけど?」
としれっとけんとが答えると、
「お母さんってどんな人ですか?」
と、さらに後輩は聞く。
「どんなって…普通にいい母親だったと思うけど…」
とけんとは答えながら、母親のことを思い出す。
ーーーーーー
けんとの母親は食の安全に人一倍気を使う人だった。
「うちはお肉もお野菜も全部国産と有機野菜なのよ!安心して食べられるでしょう」
と言って食材を見せてくる母親に、小学生のけんとは、
「へぇー!」
とよくわからないながらも目を輝かせて答えていた。
しかし母親は食の安全にこだわるあまり、外食の料理やスーパーの出来合いのものや人からもらった手作りの料理などを極端に嫌う人だった。
そのためコンビニで買い食いをしているけんとを見ようものなら、
「この子ったらまたそんな毒食べてー!」
と、眉をひそめながら咎めてくる。
『ちょっと堅苦しいな』と思わないでもないけんとだったが、
「お母さんはけんとを愛しているからご飯作りも頑張れるのよ。大切なけんとの体は私が守らなきゃね」
といつも健気に料理を作ってくれる母親に、けんとは素直に感謝をしていた。
しかしそんな母親の愛情たっぷりの料理を食べすぎたせいか、けんとは高校生になる頃には少しぽっちゃりとしてきた。
「…ダイエットしなきゃかな?」
と、思春期のけんとは少し自分の体型を気にしたが、
「何言ってるのよ!不健康なものを食べて太るのはダメだけど、健康的なものを食べて太るのはいいことなのよ!」
と母親に「あなたはそのままでいい」と励まされ、けんとは素直に「そっか」と納得する。
そしてこの日以降、けんとはどんなに太っても自分の体型を恥じなくなる。
そんな母親との思い出話をけんとが語ると、
「…つまりその母親がやってくれてたことを、奥さんにもやって欲しいってことですね?」
と、後輩はズバッと指摘する。
「え?いや、まぁ、…そうなのかな?
まぁ嫁には母さんがやってた程度の料理は作って欲しいなぁ、とは思ってるけど…」
と、少し狼狽えつつもけんとがボソボソと口籠ると、
「そこがおかしいんですよ!」
と、後輩はさらに畳み掛ける。
「要は先輩はずっと手作りのご飯で育って、それが無条件に出てくるのが当たり前って思ってるんですよね?
でも普通は大人になるに連れてそれが当たり前じゃないこと、ずっと与えられるだけの子供じゃない事を学んでいくものなんです。
与えられてきたモノのありがたさに気付かずにその寄生先を親から妻に変えて恩恵を受け続けようとしてる。
でももうそれじゃダメなんです!もうすぐ子供が産まれるんですよね?あなたはもう無条件に愛される側じゃない、愛情を注ぐ側にならないといけないんです。
甘えてないでそろそろ変わりませんか」
と、後輩はけんとの耳に痛いことをズバズバと言いまくる。
後輩の耳に痛くも核心を突いた指摘に、
「………なんか、ちょっと、反省した。
そうか、もうちょっと俺からも嫁に歩み寄らないといけないんだな」
と、けんとは少し仏頂面をしながらも素直に反省の色を見せる。
しかし反省したように見えたけんとだったが、飲み会のあと別の後輩にキャ/\"クラに誘われたけんとは、
「…そうだな、なんかしんみりしちゃったし、パーッと飲み直すか!」
と、意気揚々とキャ/\"クラへと向かう。
そんなけんとを見て、説教をした後輩は開いた口が塞がらずあ然とする。
結局後輩の勇気ある大説教は、けんとにはまったく響いていなかったのだった。
※「71話~79話」辺りまで
後輩とキャ/\"クラへ行った翌日、けんとは、
「…キャ/\"クラ行ったんだ」
と、キャ/\"クラのレシートを見つけたモカからポツリと言われる。
『マズイ…!』と思ったけんとは、
「はああ!?カバン漁ったのかよ!?
後輩から誘われたんだからしょうがないだろ!あー嫌だ嫌だ一回キャ/\"クラ行っただけでこれだもんな!俺には自由も何もない!
だいたいモカがちゃんとした飯さえ作ってくれれば俺は飲み会にも行かなかったんだ!だからその延長でキャ/\"クラに行ったのも仕方ないっていうか…少しは俺の気持ちも考えてくれよ!」
と焦りつつも逆ギレするが、そんなけんとは気付いていなかった。
モカの様子がどこかおかしいことに。
いつもだったらけんとの言い訳に冷たい目を向けて正論で堂々と言い返してくるモカだったが、その日のモカはけんとの言い訳を聞いている時もどこかボーッとした虚ろな目をして黙っているだけだった。
そして、ひとしきりけんとの言い訳を聞いたモカは、
「…別に怒ってないわよ。だってもう離婚するから」
と、タヒんだ目で笑いながらポツリと言う。
ここでやっとモカの様子がいつもと違うことに気付いたけんとは、
「!?あぁ、またいつもの脅しね、そういうのいいから…」
と若干驚きつつもいつものようにのらりくらりとかわそうとするが、
「脅しじゃねーよ!バー力!」
という鋭いモカの言葉に遮られる。
いつものモカなら使わない汚い言葉にけんとが驚く中、
「もうすぐ子供が産まれるのにキャ/\"クラ行くって…しかも18万も使うってギャグなの!?ギャグだよね!?あははははは!
いいねぇいいねぇ自分だけ自由に遊べて!お気楽独身気分のまんまで!子供にも私にもなぁーんにも興味ないもんね!私のことは飯炊き女くらいにしか思ってないもんね!」
と、モカはケタケタと笑いながらけんとを罵倒する。
狂ったように笑うモカは続けて、
「飯飯飯飯うっせーわ!私が飯作らないからキャ/\"クラ行ったって!?ふざけんなよ!
あぁでもそんなあんたを選んで結婚したのは私か!じゃあ私が悪いか!あはははは!」
と、今度は笑いながらも涙を流しつつけんとに向かって怒鳴り散らす。
けんとの度重なる不誠実な対応に、モカはついに精神的に耐えきれなくなりどこか壊れてしまったようだ。
そんなモカの尋常ではない姿を見て、けんとは青ざめつつオロオロする。
すると次の瞬間、
「モカっ!来たぞっ!」
と言う大声が玄関から聞こえ、バタバタとモカの両親が家へ入ってくる。
「…え!?お義父さん、お義母さん、何でここに!?」
と驚くけんとに、
「今日の朝、モカからメールが来たんだ」
と、モカの父親はけんとにスマホを見せる。
そこには、
『お願い、助けて、もう無理かも』
という、モカからのSOSのメッセージが書かれていた。
「様子がおかしかったから急いで駆け付けた」というモカの両親は、ケタケタと笑い続けている娘を見てあ然とするも、娘に優しく声をかけて抱きしめて必タヒに安心させる。
そんな両親に次第とモカも正気を取り戻し、
「…お父さん…お母さん」
と両親のことを認識できるようになり、緊張の糸が切れたように号泣し始める。
「…これはどういうことなんだ?何か心当たりは?」
と、顔を強張らせながら聞くモカの父親に、
「え…いや、ちょっとわからないです…。
あ、でも最近のモカ妊娠したせいかヒステリックになってて、ご飯も作ってくれないし、言葉もきついし、俺も少しストレス溜まってて…。
だから昨日後輩に誘われてちょっとキャ/\"クラに行って、そしたらまたモカ機嫌悪くなっちゃって…」
と、けんとはしどろもどろになりながらもモカの両親に説明する。
そんなけんとの言葉に何かを察したように絶句したモカの父親は、
「分かった…今の言葉だけで十分にわかったよ…」
と、怒りを堪えながらけんとに言い、
「…とにかく、モカを落ち着かせてモカからも詳しく話を聞くから。その後また4人で話そう。少しここで待っててくれ」
とけんとに話し、モカとモカの母親と共に別室へ行く。
しかし「待っているように」と言われたけんとだが、
『腹減った…』
と何と食事をするために外へ出て、そのまま話し合いが面倒になったのか家に帰らず音信不通になる。
これには、モカもモカの両親も呆れ果てる。
「どこに行ったんだあいつ!」
と怒る父親にモカは、
「…お父さん、もういいよ。
なんか大事な時に逃げるような人だってわかったら、『子供ができたら変わるかも』って期待してたのもバ力らしくなっちゃって。
話し合いもできない人なんてもういいかなって…」
と、すべてを諦めたように笑い、
「子供が産まれたら離婚の話をしようと思う」
と話す。
※「80話~92話」辺りまで
数日後、モカの両親が帰ったことを確認してコッソリと家へ帰ってきたけんと。
流石に話し合いから逃げたのはマズかったと思ったのか、
「いや〜俺予定が入ってたのをすっかり忘れててさぁ、知り合いの悩み相談を受けててさぁ、それが案外長引いちゃってさぁ、だからなかなか帰れなくて…。
というか、キャ/\"クラもごめんなぁ。18万はちょっと使い過ぎだったかな?」
と、けんとは帰ってくるなりモカにツラツラと言い訳を並べ立てる。
しかしすでにけんとのことを見限っているモカは、
「そうなんだー、別にいいんじゃない、もうどうでも」
と、そんなけんとに笑顔でしれっと返す。
『ヤバい、まだモカ怒ってる…』
と察したけんとは、その日からモカのためにたこ焼きを買ってきたり、家の掃除をしたり、白々しく「赤ちゃん楽しみ!」という発言をしたりとモカのご機嫌伺いをするが、当然ながら今更そんなことでモカのけんとへの信頼が戻ることはないのだった。
数週間後。
モカは産休を取り、出産のために里帰りをすることになる。
家を出て行くモカに、
「じゃあ出産日前には電話するからね!
俺のことは気にせず実家でゆっくりしなね、自分の食事も自分で何とかするし!
…ねぇ最近の俺ちょっとは成長したでしょ!ちょっと前なら『里帰り中の俺の飯は?』とか言ってたと思うんだよね!」
と、相変わらず的外れなことをドヤ顔で言うけんと。
そんな救いようのないけんとに、
「あーうんうん、そだねー、じゃあバイバーイ」
と、モカは笑顔で軽く挨拶して家を出て行く。
モカが出て行ったあとけんとは、
『…あー、やっぱまだ何か怒ってるっぽいなぁ』
と、モカの素っ気ない態度に顔を顰める。
しかしけんとは、
「まぁでもここ数日俺頑張ってモカのこと気遣ってたわけだし、たぶん大丈夫だろ!
出産して気持ちが落ち着いたら機嫌も治るよな!」
と軽く考え、その日から久しぶりの独身気分をエンジョイする。
そして独身気分をめいいっぱい楽しむけんとは、そのままモカの出産日を忘れてしまうのだった。
ある日、すでに出産日を10日も過ぎていたことに気付くけんと。
『ヤバい…!』と慌ててモカに電話をするけんとだったが、モカから返ってきたのは、
「…あのさ、出産予定日忘れてたんでしょ?まぁいいや、近々離婚届が届くと思うから記入してこっちに送ってね」
という冷たい返事だけだった。
「いや待って、本気で離婚するつもりなのかよ!?」
と焦るけんとだったが、電話はそのまま素気なく切られてしまう。
しかし電話が切れる直前、けんとの耳には、
「ふやぁぁぁぁぁ」
という赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた。
赤ちゃんの泣き声を聞いた瞬間、
「産まれたんだ…俺の…子供…」
とようやく父親の意識が芽生え、目を輝かせるけんと。
何もかも手遅れになってからやっと失いかけているものの尊さに気付いたけんとは、
「…やっぱり離婚したくない!」
と、週末勇気を出してモカの実家を訪ねに行くことにするのだった。
モカの実家を訪ねたけんとだったがモカには会わせてもらえず、けんとはモカの父親にリビングへと通される。
「何しに来たんだ?離婚届でも持ってきたか?」
と静かに聞くモカの父親に、
「いえ、モカに謝ろうと思いまして…あと今後の提案もしたくて…」
と、けんとはビビりながらも答える。
そんなけんとに、
「今後の提案とは?」
とモカの父親が聞くと、
「あ、それはですね、これからは僕も週1〜2回はご飯を作ります!子供にもモカにも興味を持ちます!モカのご飯が僕の毎日の楽しみなんです!だからモカが料理中は僕が子供を見てます!モカが料理を頑張ってくれるなら子育ても他の家事もやるつもりです!」
と、けんとは目を輝かせながら妙にハキハキと答える。
そんなけんとにモカの父親は怒りを通り越して脱力し、
「モカが『夫は私が作るご飯にしか興味がない』って言ってた意味がよーくわかったよ…。食への執着がすごいとは聞いていたが、これほどとは」
と、呆れたように言う。
そして、
「君にとって娘はどういう存在だ?もし食事を作らなくなったら君には不要な存在か?」
と、モカの父親は真剣な顔でけんとに聞いてみる。
するとけんとは、
「…料理しないなら不要とかじゃなくて、僕はプロポーズの時に『一生お前の飯が食いたい』って伝えてますし、そこは守って欲しいというか。
でもそれじゃあ不満がありそうだったから僕も少しは料理するって提案してるんですし」
と、どこかムッとしながら答える。
そんなズレたけんとの発言に、
『ダメだ…こいつには何も伝わらない』
と、モカの父親は頭を抱えてしまう。
今日の話し合いによってはもしかしたらけんとを説得でき、娘の離婚を回避できるかもしれないと思っていたモカの父親。
しかしけんとの一連の発言からもはやそれは不可能だと判断したモカの父親は、
「説得する気もなくなったよ…。モカは君との離婚を望んでいる」
と、けんとに静かに告げる。
結局薄っすらと父親の自覚が芽生えたものの、けんとの本質は何ひとつ変わっていないのだった。
そのため「離婚は嫌だ」と主張するけんとと「離婚したい」と主張するモカ一家との折り合いはつかず、話し合いは平行線のまま終わった。
※「104話~最新話」辺りまで
けんとが離婚したくないと主張するため、弁護士を雇うことにしたモカ一家。
しかし、
「けんとは暴カ、ギャンブノレ、浮気などはしていないからうまく離婚できるかどうか…」
と、モカ一家は少し心配していた。
一方、
「離婚しないなら裁判になります」
とモカの弁護士から伝えられたけんとは、
「離婚しないなら裁判なんて脅迫だろ!金があったら訴えてやるのに!」
と、モカのいなくなった部屋でひとり憤慨していた。
何とか離婚を回避したいけんとは、とりあえず母親に電話をして事情を説明し助言を仰ぐことにする。
電話を受けたけんとの母親は、
「料理を作らない嫁なんかいらないわよ!早く離婚しなさい!」
とすごい剣幕で怒鳴り、
「今は結婚相談所ってところがあるんでしょ?そこでさっさと次を見つけるか…それかこっちで誰か探してみましょうか?」
と言う。
けんとの母親も料理至上主義で、それができない妻などいらないという考え方なのだった。
母親の言葉に、
『確かに飯作りを放棄するような嫁なんかいらないよなぁ、これ以上弁護士と話すのも嫌だし、モカの父親も嫌いだし、何より裁判とか無理だし…。
でもモカの料理は手放し難いんだよなぁ…でも作ってくれないんじゃ意味ないしなぁ…』
と思ったけんとは最終的に母親の言葉に同意し、料理が作れる新しい妻を探すことにしてモカとは離婚をする決意を固める。
結局けんとは最後までモカではなくモカの料理しか見ていないのだった。
けんとが離婚に応じたため、無事離婚することができたモカ。
うまく離婚できるか不安に感じていたモカ一家だったが、
『財産分与はそれぞれの貯金をそのまま、養育費は月に3万、子供の面会はモカが会わせもいいと思った時だけ』
という取り決めもキチンと決まり、モカ一家はホッと胸を撫で下ろす。
↑今ココ(114話 2024.9.26更新)
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レビュー・感想
※このレビューは6話を読んだ時点で書いています
あー、読んでるだけでイライラしてくる!
この夫、本当最低ですね٩(๑`□´๑)۶
全然妻の体調にもお腹の子供にも興味がないし、ちょっと家事をやっただけですごく手伝っている気になってるし、挙げ句妻の悪阻が酷くても「もっとちゃんとしたごはん作ってくれ」だの「弁当作ってくれ」だの言うし…あー腹立つ!
典型的な無神経夫ですね。
しかし土井さんの描く漫画はムカつく側がだんだんと改心したり、または徐々に追い込まれていったりとスカッと展開になっていくことが多いので、これからこの漫画もそうなっていくのではないかと期待しています!
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