先日、
「99%離婚 モラハラ夫は変わるのか」
([漫画]龍 たまこ [原作]中川 瑛)
という、モラハラ夫の漫画を買って読みました。
ということで、今回は、
「漫画『99%離婚 モラハラ夫は変わるのか』の、最終回(完結)までのあらすじ&感想」
をご紹介していきたいと思います!
※あらすじを知る前に本作を読みたい方は、こちらから↓
- 登場人物紹介
- ①妻「彩」目線で語られる家族のこと
- ②夫「翔」目線で語られる家族のこと
- ③翔、自分のモラハラを理解する
- ④意思表示するようになった彩に、イライラする翔
- ⑤モラハラ夫は、そう簡単には変わらない
- ⑥翔、娘「柚」の存在に気づく
- ⑦離婚?再構築?彩の決断とは…!
- ⑧あれから20年…
- 感想・レビュー
登場人物紹介
野沢 翔 :夫、エリートサラリーマン
野沢 彩 :妻、専業主婦
野沢 柚 :娘、幼稚園児
彩の母 :シングルマザー
鳥羽課長 :翔のよき相談相手
①妻「彩」目線で語られる家族のこと
「1章(1話~3話)」までのあらすじ
夫と娘と三人で暮らす、専業主婦の彩。
そんな彩は、結婚してから夫翔のモラハラに悩まされていました。
結婚前は、多少不遜なところがあるものの、彩に対して優しく接してくれていた翔。
そんな翔でしたが、結婚してからは専業主婦である彩のことを下に見るようになり、家事も育児もすべて彩に任せっきりになります。
彩の体調が悪くても、
「何甘えてんの?家のことはお前の仕事だろ?」
と、まったく手伝ってくれない翔。
また、翔は自分の娘の柚に対しても無関心で、あまり娘と積極的に関わろうとしません。
そんな翔に、彩は辟易とするものの、
「自分は夫に食べさせてもらっている身だから…」
と強く出ることができず、常に夫の顔色を窺いながらビクビクと生活していました。
そんなある日、いつものように些細なことで不機嫌になる翔に怯える彩を見て、娘の柚が突然大声を上げます。
「あのねーゆずねーようちえんでねー、かぞくのえかいたの!」
父親にビクビクする母親を見てなんとかこの場の空気を変えなければと思ったのか、健気に声を上げる柚。
そんな柚を見て、彩は自分の子供の頃を思い出します。
自分の両親もやはりあまり仲がよくなく、母親は常に高圧的な父親にビクビクと怯えていました。
そんな両親を見て、彩はよく、
「この場の空気をなんとかしなければ…!」
「自分が母親を守らなければ…!」
と、子供特有の無邪気さを装い大声を上げていました。
今の柚は、あの時の自分と同じことをしている…!
そんな事実に気付いてしまった彩は、
「柚に、自分と同じ思いをさせるわけにはいかない!」
と、その日勇気を出して夫との別居を決意します。
②夫「翔」目線で語られる家族のこと
「2章(3話~5話)」までのあらすじ
エリートサラリーマンであることに誇りをもっている、夫の翔。
翔は、仕事も家庭もうまくいっており、自分は勝ち組であると信じていました。
しかし、そんなある日、翔は妻の彩に出て行かれてしまいます。
まだ幼い娘の柚を連れて、突然家を出て行った彩。
そんな彩の行動に、まったく身に覚えのない翔は動揺しますが、妻に下手に出るのはプライドが許さないのか、
「どこ行ったんだ!」
「おい!電話に出ろ!」
と、彩に不遜なメッセージを送り続けます。
そんな翔でしたが、次第に既読も付かなくなるメッセージにいよいよ焦り始めます。
「彩は何かに怒っている…」
ということは察するものの、モラハラをしているという自覚がない翔には、何故急に彩が出て行ったのか検討もつきません。
彩に出て行かれてから日に日に憔悴していく翔に、ある日、翔の上司は気になって声をかけます。
プライドの高い翔でしたが、気のいい上司につい、
「最近妻が出て行った…」
ということを打ち明けます。
すると上司は、
「実は自分は離婚をしている」
「離婚してから、子供にも会えていない」
と、自身の身の上を話し始めます。
上司は、
「自分は、仕事さえしていれば他は何もしなくていいと思っていた」
「妻にふんぞり返っていた」
「『なぜ妻は仕事で疲れている主人を労らないんだ』と思っていた」
と、当時の自分の気持ちを赤ら々に話します。
そんな上司の言葉に、翔は、
「自分が思っていたこととまったく同じだ!」
と、衝撃を受けます。
③翔、自分のモラハラを理解する
「3章(6話~7話)」までのあらすじ
上司の言葉に、
「自分も離婚されてしまうかも…?」
という危機感を抱いたものの、まだイマイチ自分に非があるとは思えない翔。
そんな翔は、ある日「NoMA」というモラハラ・DV加害者のための支援コミュニティサイトを見つけます。
興味を惹かれた翔は、早速そのサイトに登録してみます。
モラハラ・DV加害者たちが集まり、自身の悩みについて赤ら々に話し合うことができるそのサイトで、翔は、
「自分の妻が突然出て行ったこと」
「自分はモラハラをしていたかもしれないこと」
を、緊張しつつもコミュニティの人たちに相談してみます。
すると、コミュニティのモラハラ加害者の人たちは翔の相談に真摯に答えてくれ、翔はそこでようやく自分が妻にやってきたことはモラハラだったのだと自覚します。
翔は自身の行いを反省し、
「申し訳なかった」
という旨のメッセージを、彩に送ります。
数日後、彩からは、
「今後のことをきちんと考えたいと思います」
「ここから半年間様子を見て、変化が見られなければ離婚します」
「最初は週末だけ、一緒に過ごす形にしたいと思います」
というメッセージが届きます。
翔は彩から、とりあえず離婚の前にもう一度だけやり直すチャンスを与えられたのでした。
④意思表示するようになった彩に、イライラする翔
「4章(8話~9話)」までのあらすじ
斯くして、また一緒に暮らすようになった翔と彩と娘の柚。
彩は、翔からの殊勝なメッセージを見てもう一度一緒に暮らすことを決めたものの、実はあまり翔の言葉を真に受けてはいませんでした。
というのも、彩は翔と離れてからモラハラのことについて詳しく調べており、
「モラハラ夫が変わってくれる可能性はほぼ0」
「モラハラ夫は、一度は反省した振りをする」
ということを知っていたからです。
それでも、
「可能性はほぼ0でも…もしかしたら1%でも望みがあるなら…」
と、彩は縋るような思いで夫が変わってくれる可能せいにかけていました。
一方、そんな彩の気持ちを知ってか知らずか、とりあえず家族に対してニコニコと接するようになった翔。
しかし、翔は妻と娘とまた一緒に暮らせることになってホッとする反面、言いようのないイライラ感に苛まれていました。
というのも、また一緒に暮らすようになってから、妻である彩がまったく自分に対して楽しそうな顔をしなくなったからです。
今までは、話しかければニコニコと相槌を打ったり、何かを提案したら絶対に反対せずに快く提案に乗ってくれていた彩。
それらの言動は、自身のモラハラに怯え、顔色を窺っていたからだということを頭では理解しつつも、翔は、今までとは違って急に意思表示をするようになった彩に苛立ちを感じるようになっていました。
「俺が一生懸命歩み寄っているのに、なぜお前は素っ気ない態度をとるんだ…!」
「なんだか自分がずっと妻と娘の下にいるような…そんな感覚だ」
翔はそんな風に思ってしまい、ストレスを感じていました。
⑤モラハラ夫は、そう簡単には変わらない
「5章(10話~11話)」までのあらすじ
今までとは違い、
自由に発言できない
妻が自分の顔色を窺ってくれない
ということに慣れずイライラするものの、
「ちゃんと家族を再構築するんだ!」
と意気込む翔は、何かある度に「NoMA」サイトで他のモラハラ加害者たちに相談しつつ、なんとか家族関係をキープしていました。
息苦しく思いながらも、試行錯誤しながら徐々に今の生活に馴染んでいく翔。
一方彩も、徐々に夫に怯えずに自分の意見を言えるようになっていました。
ぎこちないながらも、だんだんと対等な夫婦関係になっていく翔と彩。
そんなある日、彩は、
「もう、大丈夫かもしれない…」
と、翔に、
「まだ約束はできないんだけど、もう少ししたら平日も戻れるかも」
と伝えます。
彩は変わってくれた夫を見て、
「そろそろちゃんとした家族に戻ってもいいかもしれない」
と思えたのでした。
彩の言葉に、翔は、
「よっしゃ~!」
と素直に喜びます。
自分のしてきたことが報われた気がした
ようやく認められた気がした
そんな嬉しさでつい口が緩んでしまったのか、翔は続けて、
「これで親にとやかく言われずに済むよ!」
と、余計なことを口走ってしまいます。
その言葉に、ピシッと固まる彩。
翔は、
「しまった…!」
と思いつつも、もう一度発してしまった言葉は元には戻せません。
彩は、翔がうっかり漏らした本音に、
「…やっぱり変わってない。
さっきの忘れてくれる?」
と、冷たく言い放ちます。
そんな彩の態度に、翔はついに今まで我慢していた気持ちが爆発してしまいます。
「フザッけんなよ!!
俺が下手に出たら付け上がりやがって!
俺が我慢してるってわかってんだろ!?
こうして俺を怒らせて満足かよ!?
お前が俺を怒らせてんだよ!!」
翔は、頭の中で、
「ダメだ…!ダメだ…!」
と思いつつも、もう自身の言葉を止められません。
そんな翔に、冷たい視線を向ける彩。
彩は、そのまま柚を連れて黙って家を出て行きます。
翔は、せっかくうまくいきかけていた家族関係をまた自らの手で壊してしまったのでした。
⑥翔、娘「柚」の存在に気づく
「6章(12話~13話)」までのあらすじ
再度妻と娘に出て行かれ、意気消沈する翔。
そんな翔に、以前身の上話をしてくれた上司がまた声をかけてきてくれます。
「うまくいっていたのに、『これで親にとやかく言われずに済む』と言ってしまい、再び妻に出て行かれてしまった…」
そんな風に話す翔に、上司は、
「『毒親』って言葉、聞いたことかある?」
と、唐突に聞いてきます。
「実は、自分は子供に『毒親』と言われてしまったことがある」
「毒親と言うほど傷ついていた子供に向き合わなかったことを、ずっと後悔している」
と語る上司。
そんな上司は、
「家族が帰ってきて一番嬉しかったのが、『親にいろいろ言われなくて済む』
…それで本当にいいのかい?」
と、静かに翔に問い掛けます。
翔は上司の言葉にハッとし、唐突に自分の両親のことについて思い出します。
母親に高圧的な物言いをする父親と、そんな父親に頭の上がらない母親。
そんな両親を見て、いつも悲しい思いをしていた幼い頃の自分。
それなのに、気がついたら今の自分はあの時の両親とまったく同じことをしています。
そんな今の自分を悲しそうに見るのは…
幼い頃の自分?
いや、今の子供は柚だ…!
その時、翔は始めて柚の存在に気付きます。
もちろん、今までも柚のことはちゃんと認識していましたが、翔は正直、今まで柚が要所要所でどんな表情をしていたのかまったく覚えていませんでした。
いつも彩の側にいたのに、柚の存在がまったく眼中に入っていなかった翔。
柚はどう感じているのか…
そんなことは、翔は今までまったく考えもしていませんでした。
「…俺は、一体何を守ろうとしていたんだろう。
あのまま自分と妻を見て育っていたら、柚は誰かの顔色を伺うことに慣れ、もしかしたら俺と同じような『加害者』と結婚することもありえたかもしれない。
それが愛だと思って…」
妻の彩に対してだけでなく、娘の柚にもとんでもないことをしていたと自覚した翔は、再度、彩にメッセージを送ります。
⑦離婚?再構築?彩の決断とは…!
「7章(14話~16話)」までのあらすじ
実家に身を寄せていた彩は、
「先日は、本当に申し訳なかった」
から始まり、
彩と柚に対する謝罪
自分の親のこと
カウンセリングを受けはじめたこと
などが書き連ねられ、最後に、
「彩が離婚を望むなら受け入れます」
と書かれた翔からのメッセージを受け取り、少なからず驚いていました。
自身の両親のことについて触れているメッセージに、今までにはなかった翔の本心のようなものを感じるものの、
「また口だけかもしれない…」
と、彩はイマイチ翔を信じきれずにいました。
しかし、
もう一度だけ…
これが最後の賭け…
1%の可能せいがあるなら…!
と、彩はいても立ってもいられなくなり翔の元に走っていきます。
彩の姿を見た翔は、
「俺は、父親みたいに強くて立派な男になりたかった…。
男は勝ち続けないといけない、負けたら終わりだと思っていた…」
と静かに自分の気持ちについて話し始め、
「俺………ずっと不安だった」
と、最後には泣きながら自分の弱さを吐露します。
それは、プライドの高い翔が見せた初めての素直な気持ちでした。
彩はそんな翔に、
「…バ力、そんなの最初から知ってたよ。
翔君はずっと、頑張ってるよ」
と、笑いながら答えます。
彩は1%の可能せいに賭け、再び翔との再構築の道を選んだのでした。
⑧あれから20年…
「8章(17話)」までのあらすじ
あれから20年。
翔と彩は、アルバムを見ながら今まで思い出を語り合っていました。
そんな2人がいるのは、結婚式場。
今日は、娘柚の結婚式です。
柚は花嫁姿で二人の前に現れ、涙ぐむ両親を前にこう伝えます…
モラハラ夫に悩む加奈子は、ある日3億円当ててしまい…!?
「宝くじで3億円当たりました」の、最終回までのあらすじ・感想↓
「俺は家事も育児もしてた!何がダメだったんだ!?」
ある日突然、妻に出ていかれた和樹。
和樹は、己の無自覚モラハラに気づくことができるのか…?
モラハラ夫と離婚するか再構築するかの決断までを追った、
「僕と帰ってこない妻」の、最終回までのあらすじ・感想↓
「離婚したくないいぃぃぃ!」
「もうモラハラしないからあぁぁぁ!」
裁判所でも娘の前でも、ところかまわず泣きまくるモラハラ夫。
なぎさは、無事離婚できるのか!?
モラハラ夫との泥沼離婚劇を描いた、
「モラハラ夫を捨てる日まで」の、最終回までのあらすじ・感想↓
「小二の息子が同級生を刺 した!?
…どうして理由を話してくれないの?」
突然加害者の母になってしまった主婦の葛藤を描いた、
「僕は加害者で被害者です。」の、最終回までのあらすじ・感想↓
感想・レビュー
この漫画は、モラハラしている張本人の「翔」の気持ちがすごく丁寧に描かれているのがよかったです。
というのも、結構モラハラ夫ものの漫画って、
夫がモラハラをしていることを自覚する
↓
すぐ改善
↓
いい人になる
というような漫画も多く、こういった漫画だと、
「え~、自覚しただけでそんな人って急に変わる~!?
しかもモラハラしていたような人がさぁ…」
と思ってしまい、なんだかご都合主義に感じてしまい苦手だったのですが、この漫画は、モラハラ夫の“そう簡単には変わらないモラハラ気質”みたいなものが、嘘偽りなく丁寧に描かれていたので好感が持てました。
モラハラしている夫側の心理描写が割とこと細かに描かれているので、モラハラしている人へのハウツー本としても使えそうですね。
(…モラハラしている人は、こういった本は読まないか。笑)
※例のあれ(動物)
【cat】