「漫画『娘が梅毒になりました』の、最終回(結末)までのネタバレ&レビュー」
についてご紹介していきたいと思います!
「話のおさらいをしたい」
「話の流れを簡潔に知りたい」
という方はぜひご覧ください。
あらすじ・レビューにネタバレを含みます。
セリフは省略しているため一語一句同じではありません。
ご了承ください。
- 登場人物紹介
- ①VTuberのスパチャにハマる香織
- ②毒親な香織の母親
- ③/\°/\°活に手を出す香織
- ④/\°/\°に脅される香織、そのまま…
- ⑤梅毒に感染してしまった香織
- ⑥隠波くんの素顔が流出!?それを見た香織は…
- ⑦追い込まれた香織の足は屋上へと向かう
- ⑧母親と和解する香織
- ⑨香織の妊娠が発覚!梅毒の子を産むべきか…?
- ⑩赤ちゃんのタヒで壊れる香織
- ⑪2年後…
- レビュー・感想
登場人物紹介
最初に、主な『登場人物』を紹介しておきます。
香織 :優等生
香織の母:毒親
トモ :香織の友達
真太郎 :香織のことが好き
ルルカ :/\°/\°活女子
①VTuberのスパチャにハマる香織
※「1話~34話」辺りまで
浮ついたことが苦手な、真面目な女子高生の香織。
そんな優等生の香織は、たまに友達のトモから、
「恋愛でもしてみな」
とからかい混じりに言われたりもするが、イマイチ乗り気になれなかった。
香織の側には、以前から、
「香織のことが好きだ!」
と臆面もなく言ってくる幼なじみの真太郎という男子もいたのだが、香織はそんな真太郎のこともただの幼なじみとしか思えず、
『異せいとしては絶対に見られない』
と考えていた。
香織は生々しい恋愛事に対して、異常に苦手意識があったのだった。
そんなある日、香織はひょんなことからとある男せいVTuberにハマる。
趣味もなく恋愛にも興味がなく毎日勉強ばかりだった香織は、
『…久しぶりにハマれるものを見つけた!』
と、そんな男せいVTuberの隠波(カゲハ)くんに夢中になる。
画面越しで生々しさがないためか、隠波くんにはまったく異せいとしての抵抗を感じない香織。
そんな香織は、隠波くんの生配信がある度にせっせとコメントを送って応援するようになる。
しかしそのうちに、
『…ただコメントするだけじゃ物足りない!』
と香織はスパチャ、いわゆる投げ銭にも手を出し始める。
隠波くんは香織のスパチャ付きコメントを何回か読んでくれ、香織はそれだけで天にも昇る気分になる。
だんだんと、
『…もっともっと、もっと隠波くんにコメントを読んでもらいたい!』
と、スパチャが止まらなくなる香織。
香織はいつの間にか1万円以上もスパチャをし、夥しい量のコメントを隠波くんに送っていた。
その甲斐あってか、
「カオリちゃん、ありがとう!いつも応援してくれるから名前覚えちゃった!」
と、いつしか隠波くんに存在を認識されるようになった香織。
香織は、
『隠波くんに覚えられた!私は隠波くんの特別な視聴者になれたんだ!』
と有頂天になり、ますます隠波くんにのめり込んでいくのだった。
しかしやがてお小遣は付き、スパチャを投げることができなくなった香織。
香織は、
『なんとかお金を工面しないと…』
と焦り、母親に「バイトをしてもいいか」と尋ねてみる。
②毒親な香織の母親
※「35話~43話」辺りまで
『母さんは厳しいから絶対ダメって言うだろうな…』
と半ば諦め気味に母親にバイトのことを打診してみた香織だったが、意外にも母親は香織がバイトをすることを許可してくれる。
香織は驚きつつも喜び、早速適当なバイトを探して面接に行く。
そして、無事飲食店のバイトに採用される。
『これで心置きなくスパチャを投げられる!』
と、嬉しくなる香織。
しかしバイトに採用されたことを母親に話すと、母親は目の色を変えて、
「は!?あんた何ふざけたこと言ってんのよ!?」
と何故か声を荒げる。
母親のまさかの言葉に、
「母さんがしてもいいって…!」
と香織は反論するが、
「バイトするなんてそんなバ力なことを本気でするなんて思わないでしょうが!成績が下がったらどうするの!」
と、母親は激怒する。
そしてその場で、
「娘の採用を取り消せ!」
と、香織のバイト先に電話をかけてしまう。
香織は泣きながら止めようとするが、結局香織のバイトの件は白紙に戻ってしまう。
母親の酷い仕打ちに香織は涙が止まらなくなる。
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③/\°/\°活に手を出す香織
※「44話~95話」辺りまで
バイトを禁じられてしまったため、お金の工面ができなくなった香織。
困った香織は、仕方なくクラスメイトの何人かにお金を借りてしまう。
しかし返す宛もなくズルズルと返済を先延ばしにしていると、そのうちにお金を借りたクラスメイトたちから、
「…これ以上返済が延びるようなら学校や先生に言わなきゃいけなくなる!」
と責められてしまう。
『それは困る!母さんに連絡がいってしまう!』
と焦った香織は、
「…来週には絶対返すから」
と約束し、早急にお金の工面をしなければと考える。
しかし当てがある訳でもなく香織が途方に暮れていると、街で偶然/\°/\°活をしている女せいを見かける。
『あれなら…!』
と思った香織は、
『もうなりふり構っていられない』
と、早速マッチ◯グアプリを使って/\°/\°活を始めてみる。
しかし/\°/\°活界隈のルールは思ったよりも複雑で、香織はやり方がイマイチわからず困惑する。
そこで、仕方なく/\°/\°活をしていると噂のクラスメイトのルルカに聞いてみることにする香織。
香織とは正反対の派手な容姿をしたルルカは、突然地味な香織が/\°/\°活のことについて聞いてきたことに驚くが、ぶっきらぼうながらも詳しく/\°/\°活のイロハについて教えてくれる。
ルルカの手助けもあって、ぎこちないながらも/\°/\°活で稼ぎ始めた香織。
香織は/\°/\°活で稼いだお金をクラスメイトたちの返済に当て、返済が終わるとそのお金を隠波くんへのスパチャに使い始めた。
再び隠波くんにスパチャできるようになり、喜ぶ香織。
一方香織の友達のトモと幼なじみの真太郎は、香織が最近派手なルルカとよくつるむようになったことを心配していた。
④/\°/\°に脅される香織、そのまま…
※「96話~114話」辺りまで
『手っ取り早く大金が稼げて、隠波くんにもたくさんスパチャできる!』
と、クラスメイトへの返済が終わっても/\°/\°活がやめられなくなってしまった香織。
そんな香織は、だんだんと/\°/\°活にも慣れてきて行動が大胆になっていく。
しかしその一方で香織は、
『/\°/\°たちと一線だけは絶対に越えない』
と、固く心に決めていた。
/\°/\°活に慣れてきたとはいえ、香織はまだ異せいとのそういったことには嫌悪感があるのだった。
しかしそんなある日、香織は/\°/\°のひとりに騙されてスマホで顔写真を撮られてしまう。
「この写真が僕のアカウントから流出しちゃったらマズいよねぇ。流出されたくなかったら…」
と、脅してくる/\°/\°。
香織は悔しさで一杯になるも/\°/\°の脅しに従うしかなく、やむ終えずその/\°/\°と一線を越えてしまう。
ーーーーーー
/\°/\°と一線を越えてしまった香織は、一度経験してしまうと、
『…なんだ、こんなものか』
と拍子抜けをし、それからはタガが外れたように/\°/\°たちと関係を持ってしまう。
/\°/\°活に明け暮れるあまり、すっかり塾へも行かなくなってしまった香織。
そんなある日、香織は最近塾へまったく行っていないことを母親に知られてしまう。
「塾へ行かずに毎日何をしていたの!?言いなさい!この裏切り者が!」
と、香織を叩きながら叱りつけてくる母親。
そんな母親に、
「やめてよ!私は母さんの人形じゃない!…私を思い通りに動かそうとするな!!」
と香織は怒鳴り、母親を押しのける。
それは母親の前でずっといい子を演じてきた香織の、生まれて初めての大きな反抗だった。
まさか反撃されると思わなかった母親は香織の言動に少し怯むが、すぐに香織に冷たい目を向け、
「…いいわ、わかったわ。
もうあんたはタヒんだ。私の娘じゃない、知らない。
…退塾手続きをするわ。高校の間は食事は作ってあげるから、卒業したら家を出て行きなさい」
と、静かに言い放つ。
母親は、『自分に反抗する娘などいらない』と瞬時に考えたようだった。
たった一度の反抗で、母親に実質勘当を言い渡されてしまった香織。
しかしそんな状況になっても香織は、
『…母親に見捨てられたことなんて大したことじゃない』
と言わんばかりに、相変わらず/\°/\°活を続けるのだった。
⑤梅毒に感染してしまった香織
※「115話~232話」辺りまで
塾を辞めて毎日/\°/\°活と推し活に明け暮れるようになった香織は、だんだんと学校の成績が落ちていく。
今まで学年トップだった香織は、
『勉強ができることだけが私の取柄だったのに…それがなくなったら私は空っぽになってしまう』
と少なからずショックを受けるが、それでもやはり/\°/\°活をやめられないのだった。
そんなある日、香織はとあるお金持ちの/\°/\°と出会う。
『こいつは太客になりそうだ』
と内心ワクワクする香織だったが、そんな/\°/\°の手には何やら怪しげな発疹があった。
その発疹は、『梅毒』という恐ろしいせい 病の症状だった。
しかしそんなことなど知らない香織は、気軽にその/\°/\°と関係を持ってしまう。
濃厚接触で感染してしまう梅毒。
香織は自分でも気付かないうちに、梅毒に感染してしまったのだった。
しかし梅毒に感染してからも、自覚がない香織は相変わらず/\°/\°活をやり続ける。
そんな香織の身体には、だんだんと下腹部の痛みや発疹などの梅毒の初期症状が出始める。
しかし身体の症状はそれほど深刻ではなかったため、香織は首を捻りつつもそんな梅毒の初期症状を無視してしまう。
その結果、梅毒は香織の身体の中で静かに進行していってしまう。
一方その頃、香織の同級生のトモや真太郎は県大会や受験勉強などに忙しく追われていた。
年相応な出来事に切磋琢磨する同級生を横目で見つつ、香織は、
『…私はもうあの輪には入れない。…私はずいぶんと外れてしまった』
と悲しくなる。
同級生の輪にも入れず親にも見捨てられ、唯一の自慢だった勉強も諦めてしまった香織には、もうVTuberの隠波くんと同じ境遇のルルカしか残されていなかった。
しかし香織は、
『…大好きな隠波くんと良き相談相手のルルカさえいてくれれば、それで十分なのでは』
とも思っていた。
そんなある日、香織は/\°/\°のひとりから、
「…ひっ!その発疹梅毒だよ!」
と指摘される。
「梅毒は放置すると心臓や脳や神経まで侵されて記憶障害や全身麻痺に至る病気だ!最悪タヒぬぞ!」
と言われた香織は、ここでようやく自分が梅毒だと自覚する。
香織は、
『とんでもない病気にかかってしまった…』
と青くなる。
⑥隠波くんの素顔が流出!?それを見た香織は…
※「233話~237話」辺りまで
梅毒を自覚したものの、怖くて病院に行くことができない香織。
そんな日々の中、香織は現実逃避するように隠波くんの動画だけは欠かさず見ていた。
しかしそんな隠波くんのアカウントが、ある日突然消えてしまう。
『どうして!?』
とパニックになった香織が慌ててネットで調べてみると、
『隠波、素顔流出で大炎上!!』
『裏アカに投稿するつもりだった写真を誤爆か?』
『ファン阿鼻叫喚!』
などという記事が続々と出てきた。
『素顔が流出!?』
と驚く香織だったが、
『………落ち着け、私は隠波くんに認められた特別な視聴者なのよ。
例えどんな写真だったとしても、私は一番のファンとして支え続ける』
と香織は自分を落ち着かせ、動揺しつつも隠波くんの素顔をゆっくりと確認してみる。
すると、そこにはVTuberのアバターのかっこいい顔とは似ても似つかない顔の男が写っていた。
香織は衝撃を受けつつも、
「………違う、私はがっかりなんてしていない。ちょっと驚いただけ。
そうよ!だって隠波くんはもうアーティストの域だし!顔がサイケデリックなのだってアートの一部みたいなものだし!」
と、必タヒに自分を納得させようとする。
しかし続けて出てきた、
『隠波、裏アカで名指しで視聴者の悪口か!?』
という記事に載っていた、
『kaoriとかいう女重くてダルい、黙ってスパチャだけ投げとけ』
『kaori空気読め自己中』
『スパチャ一位じゃなかったら無視案件』
という投稿のスクショを見た瞬間、香織はいよいよピシリと固まってしまう。
「…は?kaoriって、これってまさか私のこと?」
とショックを受けた香織は、先ほどの素顔流出の衝撃もありいよいよ感情を抑え切れなくなり、
「キィィィィィィ!!このク○キモ男!ゲロブ○の癖によくも…!よくも…!
お前にいくら使ったと思ってんだ!…私が、どうやって金を稼いできたと思ってんだ!!」
と、怒りをあらわにする。
ひとしきり感情を爆発させた香織は、
『…私は、こんな男のために今までずっと/\°/\°活をしてきたのか』
と、先程とは一転急激な虚しさに襲われ茫然とするのだった。
⑦追い込まれた香織の足は屋上へと向かう
※「238話~264話」辺りまで
VTuberの隠波くんの魔法が解け、すっかり心の拠り所を無くした香織。
悪いことは続き、そんな意気消沈している香織の元に、
「ちょっと来なさい!」
と、けっ相を変えた母親がやってくる。
どうやら香織の/\°/\°活のことや身体の発疹のことが学校内で噂になっていたため、学校が香織の母親に連絡をしたようだった。
/\°/\°活と発疹のことを母親に知られてしまった香織。
香織はそのまま世間的を気にする母親に、病院へと引っ張って行かれてしまう。
病院で診察した結果、正式に梅毒だと診断される香織。
香織は、
『やっぱり…』
と落ち込みつつも、病名がハッキリしたことでどこか安堵もしていた。
しかし母親はこの診断に激怒し、
「せい 病なんて…まったくあなたはどれだけ私を絶望させれば気が済むの!?
前にもう私の娘じゃないっていったでしょ!こんな風に煩わしいことに巻き込まれるのは迷惑なのよ!」
と、香織を責め立てる。
そんな母親に、
『…あぁこの人はどこまでも体裁が大事なんだな』
と、香織は虚しくなる。
ーーーーーー
正式に梅毒だと診断された香織は、
『治療どうしよう…』
と、学校で頭を悩ませていた。
そんな香織の元に、
「ルルカが薬を大量に飲んで自○未遂をしたらしい!」
という、とんでもない噂が入ってくる。
驚愕した香織は慌ててルルカに連絡を取ろうとするが、最近のルルカはメッセージを送ってもまったく返信をくれなくなっていたため、香織は連絡をするのは止めて代わりにルルカのSNSをチェックしてみる。
すると鍵アカになっているルルカのSNSには、『遺書』と称した香織へのメッセージが書かれていた。
そこには、
『私の仲介を通してって約束した/\°/\°と、香織仲介を通さずに会ってるよね。…最近/\°/\°から聞いた。
私言ったよね、裏切らないでって。
仲間ができたみたいで、友達ができたみたいで嬉しかったのに…そう思ってたのは私だけだったんだね。
私があげたヘアピンを付けてくれなかったから薄々わかってはいたんだ。
一つだけお願いがあるんだ。もし生まれ変わったら、今度は本当の友達になってくれる?』
と書かれていた。
ルルカの仲介を通さず/\°/\°と会っていたことも、ヘアピンのことも、香織にとっては何気なくしたことだった。
しかし意外にも香織のことが気に入っていたルルカには、これらのことが堪えたようだ。
『…まさか、ここまでルルカを傷付けていたなんて。…まさか、ここまでルルカが私のことを思ってくれていたなんて』
とショックを受けた香織は、泣きながら、
『ルルカに会わなきゃ!』
とルルカの行方を探す。
しかし香織はルルカの私生活のことは何も知らず、また先生にルルカの居場所を聞いても答えてもらえず途方に暮れる。
心の拠り所だった隠波くんもルルカも失い、母親にも見捨てられ、残ったのはたくさんの/\°/\°たちと寝て病気を移されたこの汚い身体だけ。
香織はそんな事実に絶望し、思わず学校の屋上へと足を向ける。
発作的に屋上から飛び降りようとする香織だったが、そんな香織の元に様子がおかしいことに気付いたトモと真太郎が駆け付ける。
駆け付けた2人に香織は、
「私は梅毒なの!もう生きてる意味がないの!私の身体は汚いの!」
と喚くが、2人は
「香織は汚くなんかない!」
と言って、香織の手を強く握ってくれる。
梅毒の発疹だらけの手を臆せずに握ってくれた2人。
何もかも失ったと思った香織だったが、香織にはまだ本気で心配してくれる友達と幼なじみがいたのだった。
⑧母親と和解する香織
※「265話~288話」辺りまで
トモと真太郎に慰められた香織は生きる希望を取り戻し、とりあえず梅毒の治療をするためにもう一度キチンと母親と話し合うことを決意する。
母親との話し合いには、「心配だから」と真太郎も一緒について来てくれることになった。
真太郎と共に家に帰った香織は、梅毒に感染するまでの今までの経緯を包み隠さず母親に話し、最後に、
「…治療のために、もう一度一緒に病院に行ってください」
とお願いする。
しかしやはりいい顔はしない母親。
そんな香織の母親に真太郎は、
「…香織はいろんなことに悩んで、自ら命を絶とうとしたんです」
と、止む終えず香織が自○未遂をしたことを話す。
真太郎の言葉に、母親は流石に少しギョッとした顔をする。
いくら不出来で自分の言うことを聞かないとはいえ、やはり自分の娘。
そんな自分の娘が自ら命を経とうとした…。
もしかしたら永遠に会えなくなっていたかもしれない…。
そう思った母親は、香織の幼い頃の姿がフラッシュバックしながら意外にも強くショックを受ける。
そんな母親は、『本当は香織のことを大事に思っている』という自分の気持ちに正直になることにし、ようやく香織とキチンと向き合う決心をする。
そしてポツリポツリと話し始める。
何故今まで必要以上に香織に厳しくしていたのかを。
そして、その原因は香織の父親にあるということを。
「今まで単身赴任でいないと話していたあなたの父親は…実は今刑務所に入っているの。
原因は度重なる買 春。
あの人は過去に何度も女子高生を買っていたの。
私はそのことが許せなくて…『せめて香織だけは立派に育ててみせる!犯罪者の父親の子供ではなく私の子供として!』と思いながら、今まであなたを育ててきたの」
そう話す母親は、「それ故に少し勉強や躾に関しても厳しくなってしまった」と苦しそうに続ける。
香織は今まで知らなかった父親の真実を聞かされショックを受ける。
しかしお互いに胸の内を明かしたためか、どこか吹っ切れた様子の香織と母親。
そんな2人はぎこちないながらも和解し、共に香織の梅毒と向き合う決意をするのだった。
⑨香織の妊娠が発覚!梅毒の子を産むべきか…?
※「289話~367話」辺りまで
母親と共に再び病院に行き、梅毒の治療を開始した香織。
しかしそんな前向きになった香織に、新たなる試練が立ち塞がる。
病院で検査を受ける中で、なんと妊娠が発覚してしまったのだ。
「堕ろすなら早い方がいい」と、産むか産まないかの決断を迫られる香織。
香織の母親は、
「梅毒は胎児にも感染して影響を与える可能せいがある。何かしら先天的な異常がある子供が産まれてしまう可能せいも高い。
それに何よりも子供も育てるには莫大なお金がかかる。あなたはまだ学生なんだからどう考えても無謀よ。父親だってわからないのだし。
…そんな状態で産むのは親のエゴよ」
と香織が子供を産むことに反対するが、当の香織は、
『…母さんの言う事はもっともだ』
と思いつつも、自分の身体に宿った生命にどうにも愛着が湧いてしまう。
そして、『どうしてもこの子を産みたい…!』という思いが抑え切れなくなった香織は、
「…私、産みたい。お願いします!お金は働いて必ず返します!だから…!」
と、母親に土下座をして出産させてほしいと頼む。
しかし当然母親は、
「悲劇の母親にでもなったつもり!?綺麗事を並べて…今のあなたは自分に酔いしれているだけよ!」
と、香織の頼みを却下する。
それでも尚、
「産みたい!…私は堕ろすことには同意しません!産みます!」
と、頑なに決意を曲げない香織。
そんな香織に呆れつつも、堕胎はお腹の子の母親である香織が承諾しなければできないため、仕方なく母親は最後には香織が出産することを受け入れる。
ーーーーーー
少しでも子供に梅毒が感染しないようにと、梅毒の治療も並行して行いつつ出産準備に取り掛かる香織。
しかしそんな香織は、妊娠が7ヶ月目に入った頃に突然破水してしまう。
破水したためすぐに出産することになり、香織はバタバタとする中病院から『手術同意書』にサインをすることを求めらる。
しかし、
「こ、これって最悪タヒんじゃっても文句は言いませんってことですよね!?
そ、そんなのサインできない…!」
と、香織は土壇場になって泣き言を言い出す。
「絶対に赤ちゃんを産む!」とは言ったものの、香織は出産についての知識が未だにフワフワとしておりまだ全然覚悟が足りていなかったのだった。
そんな香織に、
「自分の命を賭しても出産するってあなたが言ったんでしょう!今更後戻りはできないのよ!?」
と、病院に着いて来ていた母親は叱咤する。
母親に諭されて泣く泣く手術同意書にサインをした香織は、せわしなく分娩室に運ばれる。
そして、そのまま女の子を出産する。
命に別状はなく無事に出産を終えた香織だったが、早産だったため出産後赤ちゃんはすぐに新生児集中治療室に運ばれる。
しばらくしてモニター越しに赤ちゃんを見せてもらうことができた香織だったが、その姿は浮腫と黄疸だらけの身体をチューブに繋がれているとても痛々しい姿だった。
恐れていた赤ちゃんへの梅毒感染が現実になってしまったのだ。
どこか楽観的に、
『きっと普通の赤ちゃんが産まれる』
と思っていた香織は、この赤ちゃんの姿を見て衝撃を受ける。
しかし必タヒに生きようとしている赤ちゃんを見た香織は次第にその姿に心を打たれ、
『…赤ちゃん、頑張ってる。…私も頑張らなきゃ!私、もう弱音は吐かない!』
と、ようやくキチンと赤ちゃんと向き合う覚悟を決めるのだった。
⑩赤ちゃんのタヒで壊れる香織
※「368話~381話」辺りまで
赤ちゃんと向き合う覚悟が決まった香織。
しかし早産と先天せい梅毒で弱々しい身体だった赤ちゃんは、産まれてからわずか数日でこの世を去ってしまう。
医者から、
「懸命に治療しましたが…残念ながらお亡くなりになりました」
と告げられた香織は、この事実に、
「嘘…嘘…!」
と、真っ青になってパニックに陥る。
医者から我が子のタヒを告げられた香織は、その日から精神的ショックでどこかおかしくなってしまう。
赤ちゃんの遺体と対面した時も、
「赤ちゃん…かわいい私の赤ちゃん…名前は何にしよう?」
「赤ちゃんはいつ退院できるんだろう?セレモニードレスもあるんだって!着せてあげたいなぁ」
などと、赤ちゃんは亡くなっていないというていで笑いながら話し続ける香織。
母親にいくら、
「香織!目を覚まして!現実を見なさい!」
と叱責されても、香織はとうとう退院しても、赤ちゃんのお葬式をしても、赤ちゃんの火葬をしてもその事実を受け入れられず、ずっと精神的に壊れたままなのだった。
⑪2年後…
※「382話~最終回」まで
2年後。
大学生になったトモと真太郎は、あれからすっかり音信不通になってしまった香織のことを心配していた。
一方その頃香織は、とある大学の敷地内をベービーカーを押しながら歩いていた。
しかし香織はその大学の生徒ではなく、またベビーカーに乗っているのも赤ちゃんではなくお人形だった。
香織は2年経っても精神的に壊れたままで、自分のことを赤ちゃんを育てながら大学に通う大学生だと思い込んでいるのだった。
そんなある日、いつものように香織が大学の敷地内をベビーカーを押しながら徘徊していると、そこへルルカがやって来る。
「…こんなところにいたんだね、香織」
とにこやかに声をかけてくるルルカに、
「ルルカ!?」
と香織は驚愕し、喜びのあまりルルカに抱き付く。
久しぶりに香織の目に光が戻った瞬間だった。
「私、ずっと謝りたくて…!」
と泣きながら謝罪する香織に、
「私こそ、ごめん…。私が/\°/\°活なんか教えたから、香織の人生をめちゃくちゃに…」
と、ルルカもばつが悪そうに謝罪する。
ルルカは香織に会う前に香織の家へ行き、香織の母親からだいたいの事情を聞いていたのだった。
お互い色々あった香織とルルカは近況を報告しあい、お互いへのわだかまりを溶かし合う。
ひとしきり話し終えたルルカは、
「…梅毒は治療したの?…治った?」
と、気になっていたことを香織に聞いてみる。
そんなルルカに、
「治療はしたの…。でもけつ液検査の数値がイマイチ下がらなくて…もう2年も経つのに」
と、静かに香織は答える。
香織は精神的に壊れた今でも何とか治療を続けていたが、梅毒は未だに完治していないのだった。
しかし香織は暗い顔を吹き飛ばすように、
「…でも、私にはこの子がいるから」
と、ベビーカーの方を見ながらにこやかに笑う。
そんな香織を見たルルカは、
「…香織、本当はわかっているんでしょう?
これは赤ちゃんじゃない。赤ちゃんは…亡くなったんだよ。それを認めないと」
と、辛そうに諭す。
しかしルルカに諭されてもやはり香織は、
「…いや!…違う!いくらルルカでもそんなこと言わないで!」
と、叫んで耳を塞いでしまう。
聞く耳を持たない香織に、
「香織、しっかりしないと!今の香織を見ても赤ちゃんは喜ばない!
香織にできることはたった一つ、赤ちゃんに謝ってちゃんと供養をしてあげることじゃないのか?
…私は、今看護師を目指してるよ。私を支えてくれた看護師さんみたいになりたいと思ったから。
香織も前へ進め!それが赤ちゃんにとって何よりの幸せじゃないのか!?」
と、ルルカは必タヒに説得を続ける。
しばらくはルルカの言葉に拒否反応を示していた香織だったが、根気強く説得するルルカの言葉に次第に香織の顔には正気が戻ってくる。
そして最終的には、
「…ルルカ、ありがとう」
と、香織は涙を流しながらポツリと呟く。
香織はルルカの言葉で正気を取り戻し、ようやく赤ちゃんのタヒと向き合う覚悟が出来たのだった。
ーーーーーー
ルルカと別れた香織はスマホを取り出し、かつて自分を救ってくれたトモと真太郎に、
『あのあと2人が何度も家に様子を見に来てくれたこと、母さんから聞きました。
本当にごめんね。そしてありがとう』
と、メッセージを送る。
次に香織は赤ちゃんのお墓へ行き、
「…ここに来るのにこんなに時間がかかってしまった。ママは一体何をしていたんだろうね」
と微笑みながらお墓参りをし、赤ちゃんに謝罪をする。
トモと真太郎に感謝を伝え、赤ちゃんに謝罪をし、ようやく前を向き始めた香織。
香織はお墓参りの帰り道、
「自分の足で歩く…自分の未来は自分で決める…」
と呟きながら、一歩一歩力強く歩みを進める。
しかしそんな香織の足は、帰り道の踏切の線路の上で突然ピタリと止まってしまった。
そのまま空を見上げ、幸せそうに子守唄を歌い始める香織。
その数秒後、辺りには耳をつんざくような電車のブレーキ音と誰かの悲鳴が響き渡った。
あぁ今日はなんて綺麗な青空なの
こんな日にあなたに会いに行ってもう一度抱っこできるなんて
私とっても幸せなママね
赤ちゃん
おわり
※ここまでの漫画が読みたい方は下のリンクから飛べます↓
レビュー・感想
※このレビューは103話まで読んだ時点で書いています。
※最終回まで読んだあとの追記あり
読む前は『/\°/\°している女の子が梅毒になる話かな?』と思いきや、まさかの主人公は真面目系女子。
しかも、一見梅毒とは何の関係もなさそうなVTuberにハマる。
『ここから一体どうやって梅毒に!?』
とドキドキしながら読んでしまいました。
…まぁ最終的には/\°/\°に流れ着いてしまいましたがね。
それにしてもVTuberに沼っていく香織の流れはとてもリアリティがあって面白かったです!
こうやって人はVTuberに沼っていくのですね。
…私もVTuberは結構好きで見てるので、下手したらこうなりそうで怖いです。汗
あと個人的に、何だかすごくルルカが好きでした。
道徳的にはちょっとアレな子ですが…意外と面倒見がいいし、たまに優しいことも言ってくれるので、アレな子ですが何だか憎めないキャラですね。
それにしても香織の母親は毒親ですねぇ。
二言目には「お金お金」って。あー嫌だ。
でもタイトルには『“娘が”梅毒になりました』と書いてあるのですよね。
ということは、もしかしてこれから香織の母親目線になっていくのでしょうか?
なんだかあまり想像がつきませんが…それはそれでちょっと楽しみです。
※追記(2023.8.20)
え?152話のルルカ可愛い!
ツンデレさんか!?推せる!
「ふふ」って顔可愛いすぎ!
※追記(2023.8.30)
162話のルルカ、「いつもはこんなことする子じゃないんです」って香織のこと庇ってあげるの優しいですね。
やっぱりどこか嫌いになれないキャラですね。
※152話・162話をチェックしたい方はこちらから飛べます↓
※追記(2024.2.10)
326話まで読みました。
えぇ…、香織まさか産むつもりですかね。
絶対やめたほうがいいでしょ。
梅毒が高確率で感染するのに…。それに経済的にもまだ自立していないのに。完全に母親をあてにしていますし。
この状態で「産ませて!」は香織の母親の言う通り完全に親のエゴだと思ってしまいます…。
健常者で産まれたって貧乏だったり片親だったりしたら子供は割りと苦労するのに。しかも父親は不明ですし。
まさかこのまま本当にお涙頂戴な感じで産む展開になるのですかね…。
だとしたら何だかすごくモヤモヤします。
私の予想では、
『香織は産むと決めるも、産む前に梅毒が悪化してお腹の子供ごと亡くなってしまうのでは…?』
とちょっと思ったりもしています。
タイトルが『“娘が”梅毒になりました』なので、『最後は香織の母親視点で終わるのかな?』と。
※326話をチェックしたい方はこちらから飛べます↓
※追記(2024.4.25)
最終回まで読み終わりました。
うわー、そういう終わり方かぁ〜…。
香織、ルルカのおかげで立ち直れたのかと思ったのですが、結局ダメだったのですね…。
私的には、
「…そんなに赤ちゃんに執着する?誰の子かもわからないのに?別に欲しくて授かったわけでもないのに?」
と香織がそこまで赤ちゃんに執着する気持ちにイマイチ共感できず、後半若干「??」な気持ちで見ていましたが、実際に赤ちゃんを授かるとこういう気持ちになるのですかねぇ。
…私には経験がないのでよくわかりません。
しかしルルカに諭されて立ち直るエンドでもよかったのに、最終的に立ち直れなかった(壊れたまま)エンドになったのはある意味衝撃的で結構記憶に残りそうですね。
『娘が梅毒になりました』というタイトルですが、香織の母→香織目線と、香織→赤ちゃん目線との2つの意味にかかっていたのですね。
なるほどと思いました。
前の追記で、「香織はお腹の子供ごと亡くなってしまうのでは?」「タイトルが『“娘が”梅毒になりました』なので最後は香織の母親視点で終わるのでは?』と予想しましたが、イマイチ外しましたね…。
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