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【結末】「つれないほど青くてあざといくらいに赤い」のネタバレ【最終回】

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引用元:つれないほど青くてあざといくらいに赤い
 
※『つれないほど青くてあざといくらいに赤い』は現在連載中のため、ネタバレは現在の最新話までになります。定期的に追記していき最終話までまとめたいと思っていますm(_ _)m
 
 

tomomi先生の『つれないほど青くてあざといくらいに赤い』という漫画。

 

この漫画絵も綺麗ですっごく魅力的なのですが、如何せんちょっと難解なのですよね…。

 

この難解さが魅力のひとつでもあるのですが、

「話がわからない…」

「話が追えなくなってきた…」

「意味不明、解説が欲しい…」

という声も多く聞きます。

 

ということで今回は、

「話のおさらいをしたい!」

「話の流れを簡潔に知りたい!」

「つれあざって結局どういう話!?」

という人のために、

「『つれないほど青くてあざといくらいに赤い』のネタバレ&レビュー

をご紹介していきたいと思います。

 

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最新話までをザックリとまとめました!

 

…ただ『つれあざ』は少し長いため、主に“物語の根幹に関わることのみ”を重点的にまとめました。

 

あらすじにネタバレを含みます。

セリフは省略しているため一語一句同じではありません。

 

ご了承ください。

 

 

登場人物紹介

 

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最初に主な『登場人物』を紹介しておきます!

 

速水ミハヤ :高3 せい別不明

知山アラタ :高1 好奇心旺盛

 

中園ナツメ :高1 好奇心旺盛

為水ショウコ:高3 速水ファン倶楽部

犬飼    :高2 速水ファン倶楽部

柱場ハルヲ :高2 兄が行方不明に

 

櫻井    :アラタたちの町の町長

 

①男?女?速水ミハヤとは

 

異常に好奇心が旺盛な男子高校生、『知山アラタ』

 

「何でも知りたい!」

と少し病的なまでに知的好奇心が強いアラタは、ある日転校した高校でとある生徒に出会う。

 

その生徒は1年生のアラタよりも2学年上の上級生、『速水ミハヤ』という人だった。

 

日によってズボンを履いていたりスカートを履いていたりと、せい別不明な速水。

 

アラタはこの美人な速水のことが気になって仕方なくなった。

 

そこでなんとか速水にお近づきになりせい別を知ろうとするアラタ。

 

魔しょうと言われている速水の方もそんな知りたがりのアラタのことを面白がって、

「特別に教えてあげてもいい…ねぇ、どうするの?」

と妖しく挑発してくる。

 

しかしそんな挑発してくる速水にふとアラタは冷静になり、

「…俺は何というか、先輩のことをちゃんと知りたい。今までの好奇心とはどこか違くて、知っていく過程も大事にしたいというか」

と、どこか歯切れ悪く答える。

 

どうやらアラタはこの不思議な先輩の速水に本気で恋をしてしまったようだ。

 

初めて『一刻も早く何が何でも知りたい!』という欲よりも、『少しずつ知っていきたい』という欲が芽生えたアラタ。

 

そんなアラタに速水は、

「…私とひとつ賭をしない?私が卒業するまでに君がケダモノにならなかったら、君の望む形で何でも答えてあげる」

と、妖艶に微笑みながら賭けを持ちかける。

 

アラタはドキドキしながらこの速水の話を了承し、この日から妖しい速水との学校生活を始めるのだった。

 

②学校の七不思議を検証していく

 

どこの学校にもある『七不思議』

 

アラタが転校した学校にももちろんあるのだが、面白いことにアラタの転校した学校の七不思議のひとつは、

『速水先輩について知ってはいけない』

というものだった。

 

在籍中の一生徒が七不思議にまでなっている異常さ。

アラタはますます速水のことが気になって仕方がなくなった。

 

それと同時に、元々好奇心旺盛なアラタはこの学校の七不思議の全貌にも興味を抱く。

 

そんなアラタに、

「私がこの学校の七不思議になっているのはもう知っているんでしょ?…他のことに目移りされるくらいならいっそ他を早く解いて私に集中してほしい」

と、速水はいじらしいことを言う。

 

アラタはどぎまぎしながら、

「他の不思議を全部解いたら俺に夢中になってくれますか?」

と速水にねだるように聞き、一刻も早く速水だけに集中するために速水と共にこの学校の七不思議をすべて検証していくことにするのだった。

 

ーーーーーー

 

『人のいない化学室から何かに呼ばれても入ってはいけない』

『深夜2時、踊り場の姿見鏡にて未来の自分と交信できる』

『放課後4時44分、異世界に繋がる屋上の扉』

『無人の体育館に咲く、触ってはいけない白い花』

『放課後コックリさんをしていると出てくるスズカという幽霊』

 

ひとつずつ学校の七不思議を解いていく2人。

 

不思議なことにアラタの学校の七不思議はただの噂やデマではないらしく、2人は七不思議を検証していく中で明らかに科学では説明の付かないオカルトめいた目に合ったり、この世ならざる者に追いかけられたりした。

 

おかしな目に合う度に寿命が縮む思いをするアラタだったが、これまた不思議なことに速水はいつでもそういったオカルトめいたものに対する対処を知っているようで、危ない目に合うアラタをいつもさりげなく助けてくれるのだった。

 

『速水先輩は男とか女以前に…本当に人なのか?』

と、アラタはどこか現実離れした速水に少しゾクッとした悪寒を覚えるのだった。

 

③アラタと同志?ナツメという女

 

そんなある日、アラタは自分と同じように七不思議に興味を持つ『中園ナツメ』という女子生徒と出会う。

 

ナツメはアラタと同じく1年生で、やはりアラタと同じく病的に好奇心が強い生徒だった。

 

アラタは自分と同じせい質を持つナツメに興味を抱く。

 

ナツメもまたそんなアラタに興味を抱き、

「危険を恐れず不思議に首を突っ込む…あんたは私の仲間だね!」

と、アラタの七不思議検証に協力し始めるのだった。

 

一方速水はというと、そんな2人にいい気はしていない様子。

 

アラタが見ていない隙にナツメに接触し、

「…あんまり節操なく嗅ぎ回ってくれるなよ。泥棒猫の躾け方には覚えがないんだ」

と、速水は笑いながら「アラタに近付くな」とナツメに釘を刺す。

 

そんな速水に、

「あんたの膝に乗った覚えは無いんだけどな、七不思議先輩」

と、ナツメも負けじと挑発的に言い返す。

 

ナツメはアラタに恋愛的な興味があるわけではないようなのでアラタを取り合っているというわけではないようだが、どこか剣呑な空気を纏っている2人なのだった。

 

④アラタは怪異になったのか!?未来の姿

 

突然だが、時は少し進み数年後。

 

アラタが通っていた高校には、大人になったナツメが出向いていた。

 

ナツメは現在通っている生徒に、今の七不思議について尋ねてみる。

 

すると概ねはナツメが通っていた頃の七不思議と同じだったが、ただひとつ、

『速水先輩について知ってはいけない』

という七不思議が消え、変わりに、

『放課後に七不思議の噂をしていると、鬼の顔をした四つん這いの男子生徒が追いかけてくる』

という七不思議に置き換わっていた。

 

ナツメは、

『鬼の顔をした四つん這いの男子生徒…その姿はまるで知りたいことを見つけるといつも飢えた鬼のような顔をしていたアラタのようじゃないか!』

とケラケラと笑う。

 

しかし、ひとしきり笑ったナツメは、

「此処には来れなかったけど…」

とどこか切なそうな顔をしながら涙を流すのだった。

 

未来のアラタは速水を含むすべての七不思議を解き、自分が怪異となって七不思議に組み込まれてしまったのか?

 

そして、速水は消えてしまったのか?

 

現在、それを知る者は大人になったナツメだけなのだった。

 

 

⑤危ない『速水ファン倶楽部』とは

 

時は戻り、現在。

 

アラタは速水と共に順調に七不思議を解き進めていた。

 

そんなアラタは、ある日『犬飼』という2年生の女子生徒に声をかけられる。

 

「私は新聞部なんだけど、速水ファン倶楽部でもあるの!」

と笑顔で話す彼女は、アラタを新聞部の教室へと引っ張っていく。

 

アラタが戸惑いながら付いていくと、そこには、

「速水先輩は素晴らしい…!」

「非の打ち所がない…!」

「我々のすべてだ…!」

と、異様なまでに速水を褒め称える生徒がたくさんいた。

 

どこか宗教じみたその空間にアラタが驚愕していると、教室の中にいたとある女子生徒が話しかけてくる。

 

「私は新聞部部長兼速水ファン倶楽部会長、為水ショウコ」

 

そう名乗る彼女は、速水と同じ3年生だった。

 

ショウコは、

「この倶楽部は謎めいて尊いあの方の神秘を守る倶楽部…速水ミハヤは肉眼で見える神」

とうっとりしながら速水について語り始めたかと思うと、突然、

「…速水ミハヤについて知ってはいけないというのは、七不思議ではなく『守るべき規則』なの」

と、鋭い視線をアラタに向けてくる。

 

そして、

「あなたごときが暴いていい人ではない、愛し方を改めなさい」

と、ショウコはアラタを睨み付けながらハサミを握りしめた。

 

それは、速水を暴こうとしているアラタへの明確なる脅しだった。

 

しかし脅されても尚、

「…自分は愛し方を変える気はない」

と、毅然とアラタは言い放つ。

 

そんなアラタに、ショウコはハサミを振り上げる。

 

次の瞬間、新聞部の扉がガラッと開き速水が入ってくる。

 

速水は襲われそうになっているアラタを庇いつつ、

「…秘密を暴こうとしないあなたたちの愛し方は無関心と同じようで少し寂しいよ。だから暴こうとしてくるアラタの愛し方は悪くない」

と、微笑みながらショウコに諭すように話しかける。

 

しかしショウコが神のように崇める速水の言葉は、意外にも当のショウコには利かなかった。

 

「…私の神はそんなこと言わない」

と据わったような眼で呟き、今度は速水に向かってハサミを振り上げるショウコ。

 

どうやら一生徒を庇うために凡人のようなことを言う速水は、ショウコの解釈違いのようだった。

 

身勝手な理由でハサミを振り上げるショウコだったが、アラタが速水にあたる寸前に全力で止めたため幸いにも速水に怪我はなかった。

 

そうこうしている内に騒ぎを聞きつけた教師が駆け込んできて、一連の騒動は幕を閉じるのだった。

 

騒ぎのあと、ハサミがあたって怪我をしたアラタを手当てしながら速水は、

「…秘密を暴いた後の僕が、つまらないものだったとしたらどうする?」

と、珍しく弱気なことを言う。

 

どうやら解釈違いだと急に態度を変えたショウコのことを、速水は少し気にしているようだった。

 

そんな速水に、

「後悔はしないと思う」

と、アラタは真っ直ぐ返す。

 

速水はアラタの言葉にホッとしたように微笑むのだった。

 

⑥速水の秘密を暴こうとして消えた男

 

速水ファン倶楽部の事件のあと、アラタに接触してくるひとりの男子生徒がいた。

 

2年生のその生徒は『柱場ハルヲ』と名乗り、

「兄貴が速水に狂って行方不明になった」

と話す。

 

ハルヲの話しによると、当時2年生だったハルヲの兄は後輩である速水の魅力に取り憑かれてストーカーじみた行為を繰り返すようになり、最終的に、

「速水ミハヤの秘密を手に入れた!」

と笑いながら言い、そのまま行方不明になってしまったという。

 

ハルヲは、

「…速水ミハヤは人ではない!速水の秘密を暴こうとしているお前もいずれ同じ目に遭う!」

と怯えたように続ける。

 

そんなハルヲの話に、

『人ではないって、まさか…』

と思いつつも、速水の人ならざる者感をどこかうっすらと感じているアラタはハルヲの話を素直に笑い飛ばすことができないのだった。

 

 

⑦『脱がしてしまえ!』知りたい欲求を抑えられなくなったアラタは…

 

速水を神と崇めていたショウコ。

速水に狂って行方不明になったハルヲの兄。

 

アラタは速水に対する周囲の様々な反応を目の当たりにし、いよいよ速水に対する『知りたい』という欲求を抑えきれなくなっていた。

 

『脱がしてしまえ!』

『暴いてしまえ!』

という身の内の声に抗うことが難しくなってきたアラタ。

 

そんなアラタに、当の速水も、

「君はここまでよくやった。…だからご褒美に、好きにしていいよ」

と悪魔の甘言のようなことを口にし、妖しく迫ってくる。

 

速水の言葉にまんまと籠絡されそうになるアラタだったが、

「…君の負けだ、知山アラタ」

と囁くような速水の声を聞いた瞬間、

『…諦めるなっ!今獣になって破滅するなっ!』

とアラタは歯を食いしばり、なんと自らの左目に鉛筆を突き刺して己の欲望を止める。

 

そんな強行手段に出たアラタに、速水は驚きを通り越して呆れる。

 

どこかシラケた気分になったようにアラタに冷ややかな目を向ける速水に、アラタは構わず、

「好きな人を傷つけるくらいなら俺は貴方を襲わなくなるまで何度も矯正する!自分の中の獣を飼い慣らしてみせる!」

と、大声で豪語する。

 

そんなアラタの言葉に速水は一瞬意表を突かれたような顔をしたのち、さっきとは一転楽しそうな笑顔を浮かべる。

 

そして、

「…賭けは続行だ、いや寧ろここからが本番だ」

と、速水は改めて挑むようにアラタに宣言するのだった。

 

ーーーーーー

 

左目を負傷したものの幸い大事には至らなかったため、いつも通り学校に通うアラタ。


しかしアラタと共に学校の七不思議を検証するナツメは、左目を負傷してからアラタの様子がどこか変わったことに気付いていた。


というのも左目を負傷してからアラタはオカルトめいたもの、いわゆる怪異に対して前よりも聡くなっていたのだ。


以前に比べてこの世ならざる者をいち早く正確に見抜くことができるようになったアラタの変化に、

「…怪異を直感で正確に看破できるやつはもう人間じゃない」

と、ナツメはどこか複雑そうな表情を浮かべる。


ナツメはアラタに対して、

『七不思議先輩こと速水ミハヤに関わったことで、アラタまで何か人間ではないものに変わっていってしまっていっているのでは?』

と懸念しているのだった。

 

⑧速水ミハヤの正体

 

そんなある日、アラタに接触するひとりの女せいがいた。

 

その女せいは、

「この町の町長を任されております、櫻井と申します」

と名乗り、

「信徒たちがいろいろとご迷惑をおかけしたようで…」

とアラタの学校の速水信者たちを信徒と呼び、その信徒たちの非礼を詫びた。

 

どうやら速水の信者たちについて何か知っている様子の櫻井。


アラタが警戒しつつも興味を惹かれる中、櫻井は、

「ご迷惑をおかけたお詫びに」

と、速水とその信者たちについて話し始めた。


それはアラタの想像を絶する話だった。


速水ミハヤの正体に関する話だった。


ーーーーーー

 

「昔、私の祖父は『心を喰う病』という病気にかかっていました。

心を喰う病とは、『いる筈の無いものを見てしまう』という病です。

祖父が居た村の住民もこの病にかかり、村は緩やかに全滅しかけていました。

 

しかしそんな時、村にひとりの救世主が現れました。

その救世主はタヒ人から神になった人で、ひどく美しい人だったそうです。

 

その救世主こそが、『速水ミハヤ』です」

と話す櫻井。

 

櫻井は続けて、

「…そんな私も祖父から遺伝してしまったのか、幼い頃から幽霊のような人影のような『いる筈の無いものが見える人間』でした。

私は『昔タヒ者から神になった美しき者が人々を救った』という神話を再現するために現代に蘇った速水を信徒を使って再び崇め、ひいては自身の病を治してもらいたいのです。

 

そのために、私は自分とそして自分と同じ病にかかっているこの町の住民を守るために速水ミハヤを崇める。…そして解明していく」

と静かに言い、話を締めくくった。

 

櫻井のとんでもない話に、

『…救世主?タヒ人から神になった人?…やはり速水先輩は人間じゃないのか?』

と、アラタは困惑する。

 

櫻井の話がどこまで信じられるものかはわからないが、速水のことをもはや人とは思えなくなっているアラタは、ハルヲの話を聞いた時と同様に櫻井の話を一笑に付すことができないのだった。

 

 

速水ミハヤなんていないんだよ!

 

『速水ミハヤは人ではない』

それはアラタだけではなく、ナツメもぼんやりと感じていることだった。

 

「じゃあ速水先輩の正体は何だと思う?」

と聞くアラタに、ナツメは少し考えたのち、

「…魔物」

と答える。

 

人か神か魔物か。

 

いずれにせよ速水の周りの人たちは、速水を人ではない何かだと思っている人がほとんどだった。

 

そんなある日、アラタとナツメは加藤という男と出会う。

 

加藤は不思議な高校生の速水の噂を聞き付け、

『オカルト番組に使えるかもしれない!』

と、町の外から取材にやってきたテレビマンだった。

 

しかし肝心の速水の姿が、加藤の目には高校生ではなく喪服を着た壮年の美人に見えたと言う。

 

『…もしかして速水は見る人によって姿が変わるのか?…いやそんなまさか』

と突拍子もないことを考えた加藤は、速水と同じ高校に通う生徒に詳しく話を聞くためにアラタとナツメに接触してきたのだった。

 

速水の見た目について聞かれたアラタとナツメはそれぞれ速水の見た目を詳しく説明するが、驚くことに2人の話は微妙に食い違った。

 

これに確信を得たように、加藤は速水の正体について断言する。

 

それは、

「速水ミハヤとは、この土地と歴史が創った集団幻覚だ!」

というものだった。

 

「調べたところ、かつてこの町の先祖はいる筈の無いものを見てしまう『心を喰う病』にかかっていた。

その病にかかっていた先祖は救いを求めるように神という存在を創り上げた。

しかし神とは実体がないため、先祖はそれぞれ理想の神像を頭の中に創造した。

それが速水であり、だから速水は人によって見える姿が異なるのだ」

と。

 

そう自信満々に自らの仮説を語る加藤は続けて、

「怖いのはその嘘から生まれた集団幻覚が、いつの間にか独り歩きを始めた事だ。

人はそれをお化けと言う。

…まぁ神もお化けも人の脳が作ったもので、結局は幻覚だ!

だとしたらそんなものをいまだに信じて拝んでるお前らは本当、哀れだよなぁ!」

とどこか興奮してきたように声を荒げ、アラタとナツメに嘲るような目を向けた。

 

しかし、加藤の話を黙って聞いていた2人は途中で気付いてしまった。

加藤の姿がブレていることに。

 

『…何だ?』

と自身の目を疑うアラタに、ナツメは『左目を隠して見てみろ』とジェスチャーをしてくる。

 

アラタが左目を隠して加藤を見てみると、そこに加藤の姿はなかった。

 

なんてことはない、

「速水ミハヤはお化けだ!まぁお化けなんかこの世にはいないけどなぁ、すべてはお前らの集団幻覚だ!」

と、ドヤ顔で語る加藤こそがお化けだったのだ。

 

『恐らくこの町に以前取材に来た加藤は、速水の信者たちによって亡き者にされてしまったのだろう。

そしてそのことにいまだに本人だけが気付いていないのだろう』

 

そう結論付けた2人は、哀れな加藤を残してその場をあとにした。

 

お化けがお化けなどいないと語るバ力バ力しい話に付き合わされた2人だったが、

『存外加藤の話は的を得ていたのでは?』

とも2人は感じていた。

 

恐らく速水の正体は加藤の言っていた通り、

『人の集合意識が混ざり合い、神という言葉にいいイメージが足されていった存在』

『つまりこの世のものではない存在』

で間違いないのだろうと。

 

『速水ミハヤは人々の集団幻覚で創られた神であり、つまりこの世にいない存在』

なのだろうと。

 

2人はそう結論付けていた。

 

しかしそう結論付けて尚、速水の魅力に取り憑かれたアラタはその後も相も変わらず速水の側に居続けるのだった。

 

⑩私とタヒんでよ、アラタ

 

一方アラタとナツメが速水の正体に気付いたあと、当の速水の身には本人にも想像し得なかった誤算が生じていた。

 

それは、速水がアラタのことを本気で好きになってしまったことだった。


「皆が恐ろしい美しいだなんて言葉で僕を理解から遠ざけたり破滅していく中、アラタだけがいまだ真っ直ぐに僕を知ろうと見つめてくれる。とても嬉しかった。勿論それが秘密を暴き切るまでの話なのも分かってはいたさ。

それがもう少し後、想像の及ばないくらい先の話であってくれれば良かったのに…。

僕の方が惚れてしまったのでは話にならないじゃないか」

と、苦しそうに自身の気持ちを猫に吐露する速水。

 

元々、

「…私とひとつ賭をしない?私が卒業するまでに君がケダモノにならなかったら、君の望む形で何でも答えてあげる」

と、アラタに持ちかけていた速水。

 

しかしアラタはすでに速水の正体に気付いてしまった。

賭けは破綻してしまった。

今の時点でほぼ速水の負けが確定だった。

 

『速水の正体が知りたい』という思いで速水と賭けをし速水の側にずっといたアラタ。

 

しかし速水の正体を知ってしまった今、果たしてアラタは速水の側にいてくれるのだろうか。

 

アラタに惚れてしまった速水はそこに不安を感じるのだった。

 

不安を感じた速水は、ある日、

「僕とタヒんでよ、アラタ」

と、どこか挑発するようにアラタに心中を持ちかける。

 

速水の言葉にアラタは、

「…俺はあなたとなら何処へでも行ける」

と返し、速水にキスをする。

 

始めて速水に手を出したアラタ。

 

アラタは速水の正体に気付いても尚、もはや速水から離れられないほど深く速水のことを愛してしまっていたのだった。

 

そうしてアラタはタヒ路へと誘う速水に付いていく。

 

しかし、そんなアラタは途中でナツメに体当たりで心中を止められる。

 

ナツメの全力の邪魔が入り、かくして2人の心中は失敗に終わったのだった。

↑今ココ(66話)

 

※物語やセリフ回しが難解な漫画なため、もしかしたらあらすじが要所要所間違えているかもしれません。

間違えていたり解釈違いなどあれば申し訳ありません…。間違いなどは気がつき次第適宜修正していきます。

 

★これまでの『12個の謎』とその『答え』★

 

話が複雑すぎて、

 

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…アラタたちは何してるんだっけ???

 

と定期的にわからなくなるので、ちょっとこれまで(66話まで)に出てきた『謎』と今のところ分かっているその『答え』を簡易的にまとめておきたいと思います。(あらすじにまとめ切れなかったものもあるので)

 

Q 速水の正体

人々の集団幻覚で創られた神、この世にいない存在

 

Q 速水は男か女か?

人々の集団幻覚で創られた神なため男でも女でもない

 

Q 『心を喰う病』とは

アラタたちの祖先の住人たちが患っていた『いる筈の無いものを見てしまう』という病。幽霊が怪異に見えてしまう病?

 

Q 怪異の正体

その昔、アラタたちの祖先の住人たちは『心を喰う病』を患った人々が孤立しないように「自分も怪異が見える」と優しい嘘をつきお互いに幸せに暮らしていた。

しかし全員が亡くなって幽霊になったあと、村人たちは自分たちのことが『怪異が見える頭のおかしい病人』として後世に語り継がれ、やがては忘れ去られてしまうことを恐れた。

そこで幽霊になった村人たちは、自分たちが病気の中で見た怪異を自分たちが演じることで怪異は本当にあったということを証明し、またいつまでも忘れられないようにした。

これが現代のアラタたち住人が見ている怪異の正体?

 

Q ハルヲの兄はどこへ?

怪異としてハルヲに会いに来たため恐らく亡くなっている。タヒ因は不明

 

Q ハルヲの兄が手に入れた速水の秘密とは?

 速水はこの世に存在していないということ?

 

Q 七不思議に隠された秘密とは?

速水はこの世に存在していないということ?

 

Q 七不思議のガセを流していた犯人は誰?

速水の秘密を守りたい過激派の村の住人たち?

 

Q アラタは速水の卒業まで耐え切れるのか?(賭けはどちらが勝つのか?)

キスはしたがこれはセーフ?賭けは今のところアラタが優勢?

 

Q アラタが賭けに勝った場合、速水に何を教えてもらうのか?

知りたかったたのは速水の正体?しかしすでにアラタは知ってしまった

 

Q 未来のアラタは怪異になってしまうのか?

A        

 

Q 速水は最終的に消えてしまうのか?

A        

※間違いや解釈違いがあったらすみません…。間違いなどは気がつき次第適宜修正していきます。

 

 

レビュー・感想

 

※このレビューは40話辺りまで読んだ時点で書いたものです。

 

最初は、

「せい別不明な速水先輩に蠱惑的に振り回される、ちょっと変わった恋愛ものかな?」

と思って読み始めたら、結構早い段階でがっつりオカルトが絡んできてビックリしました。

 

あ、そっち系なのですね。

 

最終的に、

『速水は男か女か?』

という謎を解く物語かなと思いきや、もはや速水先輩は人なのかどうかも怪しくなってきました。

 

うーん、正直個人的には男女どちらでもないという速水先輩の魅力を引き立たせるためにはあまりオカルトを絡んでほしくはなかったのですが…。

 

オカルトが絡んでしまうと、

「そりゃあ男女どちらでもなくても不思議じゃないよね。だってそもそも人間じゃないかもなんだしね」

となってしまい、“男女どちらだ!?”で引っ張る物語の求心力が弱まってしまう気がするので…。

 

でも、なんだかんだ速水先輩が魅力的すぎるので読んでしまうのですがね。

 

あと読み進めている内にだんだん速水先輩の『決め顔でかコマ』がちょっと気になってきました。汗

 

1ページ丸々使って、あるいは2ページぶち抜きで描かれる速水先輩の顔のアップやなまめかしいポーズのでかコマ。

 

最初は、

「わぁ~綺麗!!」

「わぁ~妖艶///」

と思いながらうっとりと見ていたのですが、このでかコマ結構頻繁に出てくるのですよね。

 

なので最近は、

「おぅ………またかw」

と、ちょっと戸惑うようになってきてしまいました。

 

まぁ綺麗だからいいのですが。

 

あと各キャラの驚き顔とか興奮顔とかが、最近はもう顔芸レベルになってきているように感じます…(絵に結構クセがありますよねこの漫画)

 

さて、この先物語はどうなっていくのか?

速水先輩の謎が明かされことはあるのか!?

楽しみです!

 

…個人的にはせい別はどちらかや人間かどうかなど、速水先輩の謎はすべてうやむやなまま終わるのではないかな?と少し思っています。

 

 

速水先輩と同じく、い別不明キャラの『エナちゃん』!!

私の推しです^^

とても魅力的なので、気になる方はぜひチェックしてみてください↓

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