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【結末】「私のせいで娘の顔に傷が残ることになりました」最終回までのネタバレ・レビュー!

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引用元:私のせいで娘の顔に傷が残ることになりました

 
 
今回は、「徒然漫画 毒のある人々」さんというサイトでアップされている、

「漫画『私のせいで娘の顔に傷が残ることになりました』の、最終回(結末)までのネタバレ&レビュー

をご紹介していきたいと思います!

 

「話のおさらいをしたい」

「話の流れを簡潔に知りたい」

という方はぜひご覧ください。

 

20211031021617

あらすじ・レビューにネタバレを含みます。

 

セリフは省略しているため一語一句同じではありません。

 

ご了承ください。

 

 

登場人物紹介

 

20211031021617

最初に主な『登場人物』を紹介しておきます。

 

カモ代 (42)  :母、ナチュラル志向

娘    (0)   :娘

         :夫

 

軽戸 教子  :宗 教の勧誘員

 

①娘の顔に木片が!

 

※「1話~14話」辺りまで

 

田舎でのロハスでエコな生活に憧れるカモ代。

 

そんなカモ代は出産を期に夫の出身地である北海道の田舎町に引っ越し、憧れのロハス生活を始める。

 

新しい我が家を素朴な感じに飾り立て、

「いざこの町で子育てを!天然で素敵なエコな暮らしを!」

とカモ代が胸を膨らませる中、ある日思いもよらない事態が起こる。

 

それはまだ引っ越してから間もない頃、カモ代が生まれたばかりの娘を抱きかかえながら、

「『赤ちゃんを雪の上に投げる』っていう、海外でバズっていた動画をやってみたい!」

と、突然言い出した時だった。

 

カモ代の突飛な提案に、

「…こんなのが流行ってるのかぁ?」

と夫は首を傾げつつも、カモ代に渡されたスマホを2人に向けて撮影を始める。

 

「そっと置くだけしろよ」

と夫が注意する中、しかしカモ代は意外にも高い場所から娘を雪の上に放ってしまう。

 

すると運悪く娘を投げた雪の下には木のウエルカムボードがあり、娘の左頬にはそのウエルカムボードの木片の一部が突き刺さってしまう。

 

「キャアアアアアアアアア!!?」

と、悲鳴を上げてパニックになるカモ代。

 

これまた運悪くウエルカムボードは雪の重みで折れてバキバキに破損していたため、その破損したウエルカムボードの断面の木片の一部が痛々しく娘の左頬に刺さってしまったのだった。

 

夫は慌てて救急車を呼ぶが、

『大雪で通行不可能になっているため向かうことができない』

と言われてしまい、仕方なく娘を抱きかかえて近くの小さな診療所へと走って向かう。

 

カモ代もパニックになりながらも夫に付いていく。

 

左頬に木片が刺さったままの赤ん坊を見た診療所の医者は、

「ここじゃあんまりちゃんとした治療はできないけど…まぁとりあえず応急処置くらいはするから。あとでちゃんと大きな病院で診てもらいな」

と面倒くさそうに言いながらも応急処置を始めてくれる。

 

待合室で待つカモ代は、

「どうして救急車が来れないの!?」

「どうしてここは大きな病院がないの!?」

「先生も不親切だし!」 

「こんな田舎になんて住まなければよかった…!」

と、青ざめながらも文句をつらつらと零す。

 

そんなカモ代に、

『いやそもそもお前があんなことをしなければ…!あんなに高くから投げなければ…あのウエルカムボードを設置したのだってそもそもお前だろ…』

と夫はつい言い返しそうになるが、

『…いや今は言い争っていても仕方がない』

と、夫はグッと堪えるのだった。

 

②娘に薬は結構です。私ナチュラル志向なので

 

※「15話~21話」辺りまで

 

数時間後。

 

「終わった」と報告する医者に連れられ、カモ代夫妻は娘の様子を見に行く。

 

ベッドに眠る娘の左頬には痛々しい傷が残ったものの、木片は綺麗に取り除かれ丁寧に処置がされていた。

 

カモ代夫婦はホッとする。

 

そんな夫妻に医者は、

「これから熱が出るかも知れないから薬を処方しないと、でもウチには小児用がなくてね…」

と今後のことを話し始めるが、そんな医者の言葉を遮って、

「あ、あの、薬は結構です」

と、突然カモ代が言い出す。

 

「何を言ってるんだ!?」

と驚く夫と医者に、

「私はナチュラル志向なんで、化学薬品は飲ませたくないんです。

…代わりにドクダミを煎じたものとかどうですか?効くと思うんですけど」

と、カモ代はとんでもないことを言い始める。

 

そんなカモ代に、

「…本当にいるんだね、あなたみたいな人」

と、医者は呆れたような顔を向ける。

 

医者の言葉にカモ代はムッとし、

「これだから田舎の小さな診療所なんて…大きな病院ならせめて漢方があると思ったのに…」

とボソッと零す。

 

そのあまりに失礼なカモ代の発言に、

「もういい!ナチュラル志向だかなんだか知らんが帰ってくれ!気分が悪い!」

とついに医者は激怒し、カモ代夫妻を診療所から追い出す。

 

診療所からの帰り道、夫はカモ代に先程の医者への無礼を責めるが、そんな中、夫が抱きかかえる娘の様態が急変する。

 

熱がどんどん上がり苦しそうにする娘。

 

カモ代夫妻は慌てて家へと急ぐのだった。

 

③カモ代に不信感を持つ夫

 

※「22話~32話」辺りまで

 

家に帰り娘をベッドに寝かせ安静にさせるも、娘の熱は一向に引かない。

 

カモ代夫妻があたふたとする中、近くに住む夫の母親が「孫が怪我をした」という噂を聞き付けて慌ててカモ代家に駆け付けてくれる。

 

しかしそんな夫の母親にもカモ代は、

「…これだから田舎は、すぐ噂が広まるんだから」

と、またボソッと悪態を付く。

 

さらにカモ代は、

「可哀想に…!女の子なのに顔にこんな傷を負って…」

という夫の母親の言葉にも、

「お義母さん!今時その発言はジェンダー差べつですよ!田舎の人だから仕方ないのかもしれないけど、考え方をアップデートしていかないと!」

と、状況にそぐわず激昂する。

 

そんなカモ代の姿を見て夫は、

『先生やおふくろへの態度が悪過ぎる…。それになんとなく娘の怪我に対しても全然責任を感じていない様子だし…』

と、眉をひそめながら不信感を感じる。

 

思えば娘が生まれた時も、

「あとは一戸建て!それで全てが手に入る!

…今まで私を見下してきたやつらを見返せる」

と、何やら怖いことを言っていたカモ代。

 

夫はその時から微かに感じていたカモ代への不信感を今回の事でさらに募らせ、離婚の二文字が頭をよぎるようになるのだった。

 

翌日。

 

娘の熱がまだ下がらないため、夫はカモ代に内緒で娘だけを連れてもう一度診療所を訪れる。

 

昨日の無礼を夫が医者に詫びると、

「私も気になっていたから、隣町まで行って抗生剤を用意して待ってたんだ」

と医者はさほど気にしてもいない様子で、快く小児用の抗生剤を渡してくれる。

 

「この雪の中をわざわざ…!ありがとうございます!」

と夫は感激し、医者から抗生剤を受け取る。

 

しかしそんな中、

「待ちなさい!」

と叫んで、カモ代が診療所に飛び込んで来る。

 

どうやらカモ代は、夫が娘を連れて診療所に行ったことに気付き後を付けてきたようだ。

 

そのままカモ代は、

「抗生物質は毒ウウウゥゥゥ!人間には自浄能力がある!」

と叫びながら夫から抗生剤を奪い、袋を破って中身をその場に捨ててしまう。

 

「何てことをするんだ!?」

と、カモ代の奇行に夫は怒鳴るが、

「毒を娘ちゃんの口には入れさせない!

…私は、わかっているんだから!どうせそうやって私を悪者にして村中に噂を広める気なんでしょ!?そうやって私を孤立させて娘ちゃんに毒を与えようとしている!酷い母親だって風聴されてこの村で私の立場を貶めるための策略じゃないの!

でもそれがうまくいくと思わないでよ!私は私なりの正義で娘ちゃんを毒から守ってみせる!」

と、カモ代はどこか錯乱状態で被害妄想のようなことを叫び続ける。

 

そんな話が通じなさそうな様子のカモ代に、夫が薄ら寒さを覚え立ちすくむ中、

「…あー、ここで争うのはやめてくれ!」

とカモ代夫妻は再び医者に怒られ、病院から追い出されてしまうのだった。

 

④カモ代の味方の振りをして近付く女

 

※「33話~49話」辺りまで

 

カモ代のせいで薬を使うことができず、相変わらず熱が下がらない娘。

 

そんな娘に後ろ髪を引かれつつも、

「今日はどうしても出勤しなければ…」

と、夫は辛そうに会社に出かけて行く。

 

娘と共に家に残されたカモ代。

 

そんなカモ代の元に、突然『軽戸 教子(かると きょうこ)』という若い女が訪ねて来る。

 

「先月都内から引っ越してきたんです!

カモ代さんも最近引っ越してこられたんですよね?移住者どうし仲良くしましょう!」

と、愛想よく引越しの挨拶をする教子に、

『…都会育ちの、洗練された素敵な人』

と、カモ代はぽぅと頬を赤らめる。

 

しかもそんな素敵な教子は、

「カモ代さんも都会の方って感じがしますね!雰囲気が洗練されていて、私たち仲良くなれそう!」

「そういえば…娘さん怪我されたって聞きました。大丈夫ですか?

…まぁ、自然の力で治そうとしているんですね!とても素晴らしいですね!そうよ!お薬なんて身体に毒だもの!人間には古代から秘められたパワーがあるのだから!

それをわかっているあなたはやっぱり世間一般の人とは違うのね!」

と、カモ代が欲しい言葉をたくさん投げかけてくれる。

 

そんな教子に、

『この人は私をわかってくれる…!やっと私を理解してくれる人に出会えた…!』

とカモ代は嬉しくなる。

 

教子はさらに、

「…私、実は神秘のパワーでちょっとした治療ができるの!」

と言い、何やら奇妙な動きで手に力を溜める素振りをし、その手を寝ている娘のおでこに当てる。

 

「大地の気を吸収してエネルギーとして放出するの!」

と言う教子に、

「…そんな魔法みたいなことが!」

と、カモ代は驚く。

 

「あなたにもきっとできるわ!素質があるもの!私が見込んだ人だもの!」

と教子は笑顔で言い、

「興味があったらここに連絡して!」

と、カモ代に『神秘のパワー会得セミナー』というセミナーの名刺を渡す。

 

「セミナー…でもこいうのってお高いんじゃ…」

とカモ代が若干たじろぐと、

「心配しないで!セミナーは1回千円だし、お布施は気持ちでいいんだから!

…それにカモ代さん、悩んでいる時間は無いわよ。

気付いているかどうかわからないけど、この家は瘴気に満ちているから。娘ちゃんが怪我をしたのもこの瘴気のせいよ。

あとひとつだけ忠告しておくわ。…あなたの旦那さんとお義母さんは悪魔の使いよ。悪魔の使いだからあなたが神秘のパワーを会得するのを全力で邪魔してくるわ。だからこのことは誰にも言っちゃダメよ。

大人しく従順に言うことを聞くふりをするの。でも絶対に惑わされちゃいけない」

と、教子はカモ代に畳み掛ける。

 

めちゃくちゃなことばかり言う教子だったが、一度『自分の理解者だ』と教子のことを信じてしまったカモ代はまんまとこの教子の口車に乗せられてしまうのだった。

 

⑤神秘のパワーを会得するカモ代

 

※「50話~82話」辺りまで

 

教子に「あなたの旦那さんとお義母さんは悪魔の使いよ」と言われたカモ代はすっかりこの言葉を信じ、あれから夫や義母を警戒するようになる。

 

そんな中、雪で塞がっていた道路が復旧した為、カモ代の夫は娘を連れて大きな病院へと行くことにする。

 

「もうお前に娘は任せられない。これからは僕が全部やる。入院も僕が一緒に泊まる」

とカモ代に言い残し病院へ向かう夫を、カモ代は反射的に止めようとするが、

『大人しく従順に言うことを聞くふりをするの』

という教子の言葉を思い出し、カモ代はグッと堪えて夫に娘を任せることにする。

 

しかし、

「…このままじゃ娘ちゃんに抗生物質が打たれてしまう!身体に毒が入ってしまう!悪魔の思う壺になってしまう!」

と焦ったカモ代は、助けを求めるように教子に電話をかける。

 

電話を受けた教子は、

「それは大変!一刻も早く神秘のパワーを会得しないと!

会得最短コースは80万だけど、あなたは特別だから半額の40万にするわ!」

と言い出す。

 

パニック状態のカモ代は、

『40万…OL時代に貯めたへそくり内でなんとか払える!』

と、早速お金を用意して神秘のパワー会得セミナーへと向かうのだった。

 

神秘のパワー会得セミナーの建物に着いたカモ代。

 

そこでは大勢の人が怪しげな儀式をしていた。

早速カモ代も教子にお金を払い、その儀式に加わる。

 

儀式が終わったあとカモ代は、

「会得最短コースを選んだから、カモ代さんはもう神秘のパワーが使えるわよ!

素晴らしいわ!ではこの神秘のネックレスを授けるわね」

と教子から神秘のネックレスと神秘のパワーのお墨付きをもらい、周りの人たちから羨望の眼差しで見られる。

 

「あの人もう神秘のパワーが使えるの!?凄い!」

と騒ぐ周りの人たちの声に優越感を感じつつも、カモ代は、

『…娘ちゃんを早く助けに行かないと!』

と、急いで病院へと向かう。

 

病院へと着いたカモ代は、

「カモ代!?何しに来た!?」

と驚く夫を押し退け、

「娘ちゃん…毒を注入されてる!?」

と娘の腕から点滴を引っこ抜こうとしたり、

「娘ちゃん、今すぐに治してあげるっ!哈アアアーッ!」

と娘に向かって神秘のパワーの波動を打ったり、

「!?なんだお前ら、邪魔するな!まとめて浄化してやる!哈アアアーッ!」

と騒ぎを聞きつけて駆け付けた警察官にも神秘のパワーの波動を打ったりと、病院内で散々暴れ回る。

 

そんな尋常ではないカモ代の様子を見た夫は、

『…こいつ、まさか変な宗教にでもハマったんじゃ?』

と青ざめる。

 

結局病院内で散々暴れまわったカモ代は、そのまま駆けつけた警察官に警察署へと連れて行かれてしまう。

 

警察署で警察官に説教をされつつ、

「…あなたもしかして変な宗教とかにハマっていますか?

騙されているのでは?その宗教にいくら払ったんですか?何でもホイホイ信じすぎないほうがいいですよ」

と呆れたように聞かれたカモ代は、最初こそムキになって反論したものの徐々に警察官の話に頭が冷静になり始める。

 

『神秘のパワーも効かなかったし…もしかしてこの警官の言う通り私は騙されてるの…?』

と不安になってきたカモ代は、警察署から解放されたあと真相を確かめるために急いで神秘のパワー会得セミナーへと向かう。

 

しかし、

「神秘のパワーが使えなかったのは、祈祷中に雑念が入っていたからよ。

その証拠に…あなた神秘のパワーが消えているわよ!」

と再び教子に丸め込まれ、おまけに、

「でも大丈夫!この『神秘の石』を肌身離さず持っていれば、神秘のパワーを取り戻せるわ!」

と、160万円の神秘の石ならぬガラス玉を買わされてしまうカモ代。

 

宗教の洗脳はそう簡単には解けないのだった。

 

 

⑥「それは流石に病院行けよ…」教子のまさかの言葉にカモ代は?

 

※「83話~96話」辺りまで

 

家に帰ってきてから、早速神秘の石を使って再び神秘のパワーを取り戻そうと儀式を頑張るカモ代。

 

そんな中、退院した娘を連れて夫が帰ってくる。

 

「娘ちゃん!…あぁ毒を打たれて可哀想に、私が浄化してあげる!」

と娘に近付くカモ代に、夫はピシリと離婚届を突き付ける。

 

驚くカモ代に、

「もうお前とはやっていけない。

散々人に迷惑をかけて…何よりお前がいると娘の身の安全が脅かされる。

…娘は顔に傷が残るかも知れないって言われたんだぞ。娘が心配じゃないのか?」

と、静かに怒りを堪えながら言う夫。

 

しかし夫に離婚を宣伝されても、娘の顔に傷が残るかもと言われても尚カモ代は、

「そんな!私の信仰心が足りないばかりに…!」

と、未だに明後日なことを言うのだった。

 

そんなカモ代に『やはり変な宗教にハマったのか』と思った夫は、

「すっかり洗脳されて…まさか変な壺とか水とか買ってないだろうな」

と呆れたように言うと、カモ代は「ウグッ」と口籠る。

 

「まさか本当に買ったのか!?」

とカモ代を問い詰める夫は、40万円のコース料を払って神秘のネックレスをもらったことを渋々カモ代から打ち明けられる。

 

『詐欺じゃないか!?』と思った夫は、カモ代を連れてそのまま神秘のパワー会得セミナーへと乗り込む。

 

神秘のパワー会得セミナーへと来た夫は、

「家族を変な宗教に巻き込まないでいただきたい!ネックレスは返しますから返金もお願いします!」

と、教子に詰め寄る。

 

しかし教子は、

「…それをうちで買ったという証拠は?売買契約書は?領収書は?何かあります?」

と、しれっと言う。

 

そんなものは一切交わさずカモ代は大金を支払っていたため、夫は証拠を提示することができず「グッ」と口籠る。

 

そんな夫に、

「それにいいじゃないかですか、仮に買っていたとしても。

何故なら現代人は医療や科学に頼りすぎている!そんなものより人間が本来持つパワーを解放してもっとナチュラルに生きるんだよ!」

と、教子は勝ち誇ったように夫に指を突き付ける。

 

カモ代はそんな教子を見て、

「素敵!一生ついていくわ!」

と目を輝かせる。

 

「んなア ホな!」

と、相変わらず洗脳が解けないカモ代に夫が呆れる中、

「言っとくけど私を守ってくれているのはネックレスだけじゃないからね!神秘の石だってついてるわ!欲しがったってあげないわよ!なんとこれは160万円もしたんだからね!」

と教子に勢いづいたカモ代は突然そう言い、夫に口を大きく開けて見せる。

 

そこには神秘の石が入っていた。

 

「神秘の石を肌身離さず持っていれば神秘のパワーを取り戻せる」と教子から言われたカモ代は、なんと神秘の石を「一番身体に近い場所」として口に入れて持ち運んでいたのだった。

 

夫が「160万!?」と驚く中、突然、

「警察です!通報を受けたのですが」

と、神秘のパワー会得セミナーへ警察がドカドカと押し寄せてくる。

 

実は夫は神秘のパワー会得セミナーへと来る前、詐欺事件として警察にこの場所を通報していたのだった。

 

突然の警察の登場に慌てたセミナーの幹部は、

「ひぃぃ!どいてっ!捕まりたくない!」

と、カモ代を押し退けて外へと逃げて行く。

 

その瞬間に、カモ代は「ゴクン」と神秘の石を飲み込んでしまう。

 

「…え?まさか今飲んだ!?」

と驚く教子に、

「飲んじゃった…でもこれで私の身体は神秘の石と一体化ですね!」

と、カモ代は嬉しそうに言う。

 

そんなカモ代に、

「いや、ヤバくね?…それは流石に病院に行けよ。

手術とかして取ってもらわないと、だってそれ腸閉塞とかなっちゃうんじゃね?知らんけど」

と、教子はあまりの出来事に今までのキャラを忘れたかのようにドン引きの顔で言う。

 

教子のまさかの言葉に、

「病…院…?だって医療は必要ないって…薬は毒だって…え?」

と、カモ代は困惑する。

 

すっかり動転するカモ代に、

「これでわかっただろ。神秘のパワーだのそんな都合のいい話は最初からまやかしなんだよ」

と、夫は呆れたように言う。

 

「え?じゃあお金は…?私の二百万は…!?どうなるの!?

…お金を返してよぉ!」

と、ようやく詐欺だと気付いたカモ代はその場に泣き崩れる。

 

そんなカモ代を見て夫は、

『娘の怪我の心配じゃなく、お金の心配が先か』

と、あくまでも自分のことしか考えていないカモ代に心底軽蔑の目を向けるのだった。

 

神秘のパワー会得セミナーへ警察が踏み込んでから数日後。


カモ代は夫に正式に離婚され、娘の親権も取られていた。


最後まで、

「離婚したくない…周りからなんて言われるか…私の人生設計がぁ…」

と泣き言を言っていたカモ代だったが、結局夫に聞き入れられることはなかった。


ちなみに、カモ代が飲み込んだ神秘の石は自然に排出されたためとくに問題はなかった。


一方神秘のパワー会得セミナーはというと、やり口が巧妙だっためたため詐欺としては立件されなかったが、その後洗脳から覚めた信者によってSNS上にリークされたため今ではすっかり大人しくなったようだった。

 

⑦私の顔には傷がある

 

※「97話~最終回」まで

 

26年後。

 

カモ代の夫は結婚式場にいた。

今日は娘の結婚式なのだった。

 

すっかり大人になった娘は、たくさんの人に祝福されながら照れくさそうに家族への手紙を読み上げる。

 

「パパ、おばあちゃんへ。

私にはママがいませんでした。でもパパとおばあちゃんに助けてもらってここまで育ってこられました。本当に有難う。

…私の顔には傷があります。とても幼い頃についたものだそうでいつもはお化粧で見えないのですが、でも今日は何も塗りませんでした。

この傷を含めたありのままの私を祝福して欲しくて。

この傷のことでからかわれたことやイジ〆られたこともありました。でも何より辛かったのはパパが責任を感じて自分を責めていたことです。

でもね、パパ安心して。傷があるからこそ私は頑張ったの、勉強も仕事も。誰にも負けないように。そうやって今はもうこの傷と上手に付き合えるようになった。だから二度と自分を責めないで。

パパ、おばあちゃん、大好きだよ」

 

そう手紙を読み終えた娘に、カモ代の夫は、

『顔の傷は残ったけれど、娘はこんなにも強く優しくまっすぐに育ってくれた…』

と、嬉しそうに涙ぐむ。

 

ーーーーーー

 

一方その頃カモ代はというと、街中で自作した怪しい湿布を宣伝して回っていた。

 

「神秘のパワー会得セミナーのやつらは偽物だったけど…神秘のパワーはある!

私は現世でそれを確立しないといけない!それが私の生きる意味であり、私に課せられた使命だからっ!」

と、街中でひと目も憚らずに叫ぶカモ代。

 

カモ代は神秘のパワー会得セミナーの一件があったあとも完璧には神秘のパワーの洗脳からは解けず、26年経った今も相変わらず怪しい行動を繰り返していたのだった。

 

しかし街の人々は、当然ながらそんな怪しげなカモ代を皆遠ざけて歩く。

 

そんな中、カモ代はひとり、

「この湿布を使ってみませんか!?私の気を込めています!

私と一緒に神秘のパワーに目覚めたいと思いませんか!?

ほら!素敵でしょ!?ほら〜」

と、誰にも相手にされない中虚しく声を張り上げ続けるのだった。

 

おわり

 

漫画は下のリンクから飛べます↓ 

「私のせいで娘の顔に傷が残ることになりました」の一覧

 

 

レビュー・感想

 

※このレビューは18話を読んだ時点で書いています

※最終回まで読んだあとの追記あり

 

ヤバい母親ですね。

テーマは行き過ぎたナチュラル志向、ですかね。

 

無添加や自然栽培や天然にこだわり、化学薬品などを嫌う。

こういう人実際にもいるみたいですからね。

 

ひとりでやっている分には全然いいと思いますが、でも自分の子供にも強いるのはどうかと思ってしまいますね。

 

大人はもう身体が出来上っているのでまぁ多少の無理もきくのかもしれませんが、子供はまだ身体が未成熟ですからね。

化学薬品などに頼らざるを得ない時もあると思います。

 

でもこういう人って良かれと思って子供にも強いているのでしょうから、余計たちが悪いですよね…。

 

さて、ここからどんな展開になっていくのか?

楽しみです。

 

※追記(2024.7.30)

最終回まで読み終わりました。

 

なんというか…思っていた話と全然違いました。

 

てっきり顔に傷がある娘がその内に大きくなり、それに従って自分の顔に傷があることに悩み、その原因となった母と衝突するようになり、しかし行き過ぎたナチュラル志向の母とは話が噛み合わず…という話になっていくのかな?と思っていたのですが、まさか宗教の話だったとは。

 

娘の顔の傷、そもそもあまり関係がない感じですね…。

 

しかし思っていた話とは違いましたが、カモ代の思考と行動がぶっ飛びすぎていたのでなんだかんだ最後まで楽しんで読めました。笑

 

最終回のカモ代がこちら(読者)に語りかけて迫ってくる演出も、とても不気味で良かったです。

 

怖い。笑

 

※最終回を確認したい方は下のリンクから飛べます↓ 

「私のせいで娘の顔に傷が残ることになりました」の一覧

 

 

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