『99%離婚 モラハラ夫は変われるのか!?』の続編が登場!
今回のお話はなんと、前作で翔の良き相談相手となってくれていた鳥羽課長の娘さんが主人公です。
ということで今回は、
「漫画『99%離婚 離婚した毒父は変われるか』の、最終回までのネタバレ&レビュー」
についてご紹介していきたいと思います!
ストーリー全体を簡単にザックリとまとめました。
…ただ今作は割りと登場人物が多かったため、主に“主人公の奈月と奈月の父親”に焦点を絞ってあらすじをまとめました。
あらすじにネタバレを含みます。
セリフは省略しているため一語一句同じではありません。
ご了承ください。
前作↓
- 登場人物紹介
- ①私は父を許さない
- ②仏になった晴喜、そんな晴喜の元に…
- ③怒りが抑えられない奈月
- ④父からの手紙を渡された奈月
- ⑤『反省した加害者を許しましょう』はおかしい?
- ⑥私の結婚式の形
- ⑦やっぱり父を許せない。でも…
- 感想・レビュー
登場人物紹介
最初に主な『登場人物』を紹介しておきます。
浅間 奈月(29):鳥羽の娘、OL
鳥羽 晴喜(55):奈月の父、元毒親
①私は父を許さない
彼氏と同棲しているキャリアーウーマンの奈月。
奈月は近々彼氏と結婚するために慌ただしく結婚式の準備に取り掛かっていましたが、しかし結婚することを父親にだけは絶対に知られないようにしていました。
というのも、奈月の父の『鳥羽 晴喜』は絵に描いたような毒親だったからです。
奈月が幼い頃から奈月にも奈月の母親にもモラハラ発言を繰り返し、時には手をあげることもあった父親。
奈月はそのことがトラウマになり、いまだに父親のことを許せずにいるのでした。
現在奈月の両親は離婚しているため奈月はもう父親と関わらなくてよくなりましたが、しかし、
『…万が一にでも父親に結婚のことを知られては溜まらない!』
と、奈月は母親にも厳重に口止めをしていました。
ーーーーーー
父親の懸念はあるものの、現在奈月は結婚前で幸せいっぱい!…のはずでしたが、しかしここのところ奈月は浮かない顔ばかりしていました。
それは仕事があまりにも忙しく、全然自分の時間がとれていないためでした。
仕事の忙しさに加えミスをした部下のフォローなども重なり、奈月はつい部下に対して、
「あの仕事まだできないの?…はぁ、あとから上司に色々言われるのは私なんだからね」
と、厭味ったらしい態度をとってしまったりします。
また、優しくておっとりしている彼氏に対しても、
「私の方が稼いでるんだから家のものくらいあなたが気を利かせて買ってきてよっ!
…なによ!言いたいことあるんなら言えば!?」
と、つい感情的にあたってしまったりもします。
その言い方は、奈月が憎くて憎くて溜まらないと思っていた父親のモラハラ発言にそっくりでした。
奈月はいつの間にか父親のモラハラを嫌悪しつつ、自らもまた気付かない内に父親のようなモラハラ気質になってしまっていたのでした。
②仏になった晴喜、そんな晴喜の元に…
かつて家族に対しても部下に対してもモラハラを繰り返してきた晴喜。
しかし当時の晴喜は、
『厳しくするのは妻のため娘のため、そして部下のため。
…俺は家族を愛してるし、部下を一人前に育てなければいけないのだから』
と、自らの厳しすぎる言動がモラハラになっているとはまったく考えていませんでした。
そんなある日、晴喜は中学生の娘の奈月から、
「…毒親」
と言われてしまいます。
今までの恨みをすべて込めたような目で娘にそう言われた晴喜は、思わず感情のままに娘の頬を張ってしまいます。
しかし娘に言われた『毒親』という言葉が気になった晴喜は、その日からこっそりと毒親について調べ始めます。
すると、だんだんと自分のやってきたことはモラハラであり加害であるということがわかってきた晴喜。
『…俺は良かれと思ってやってきたのに、それが多くの人を傷付けていたのか』
と自覚した晴喜は、その日から変わる努力をします。
その結果、現在では会社で『仏の鳥羽』とまで言われるようになった晴喜。
晴喜は見事に過去の自分を払拭し、人当たりのいい人間に生まれ変わったのでした。
すでに離婚したあとだったためもう妻にも娘にも変わった自分を見せることはできず、またモラハラをしていた当時の部下たちにももう償う術がありませんでしたが、それでも晴喜は、
『…せめて今後の人生は仏の鳥羽として生きていこう。もう誰も傷付けないように』
と心に誓います。
ーーーーーー
その後、晴喜は自分と同じような境遇の同世代の男2人とルームシェアを始めます。
男3人でのんびりと暮らしながら、晴喜は変わった自分として新しい人生のスタートを切ったのでした。
そんなある日、晴喜のスマホに突然元妻からメッセージが届きます。
メッセージには、
『奈月が結婚します。
結婚式にはあなたには参列してほしくないと言っています。
本当は結婚することも黙っていてほしいと言われているけど、それはさすがに、ね』
と書かれていました。
結婚することを奈月に口止めされていた母親でしたが、
『さすがに実の父に知らせないのはどうなのか』
と、母親は安易な気持ちから晴喜に知らせてしまったのでした。
そんなこととは露知らず、晴喜は純粋に娘が結婚することに驚きます。
しかしそれと同時に、
『…娘に嫌われている自分は結婚式にも出られず、孫の顔も見られないのか』
と落ち込みます。
落ち込んだ晴喜でしたが、
『ならばせめてお祝いの手紙だけでも許されるだろうか。
今の俺なら…昔と変わった俺なら…』
と思い直し、せめてもの罪滅ぼしの気持ちとして娘に手紙を書き始めます。
③怒りが抑えられない奈月
結婚することを父親に知られてしまったとは夢にも思わない奈月は、相変わらず周囲の人たちに感情的にあたる毎日を繰り返していました。
しかし、そんな奈月はだんだんと自分でも気付き始めます。
『私がやっていることは父親と同じだ』
と。
しかし自覚しても尚、感情を抑えることができない奈月。
奈月はモラハラな父親の影響なのか自分が悪くても人に素直に謝ることができず、また人に甘えることもとても苦手としていました。
素直になれず周囲の人たちに嫌な思いばかりをさせてしまう自分に、奈月は泣きながら自己嫌悪を覚えます。
④父からの手紙を渡された奈月
情緒不安定ながらも、元々の真面目なせい格もあり着々と結婚式の準備を進めていく奈月。
そんなある日、奈月は母親から手紙を渡されます。
「父親から結婚祝いの手紙」
と笑顔で渡された手紙に、奈月は目の前が真っ暗になります。
『…なんで結婚することをあいつに言ったの?
…言わないでって言ったのに。
…絶対関わりたくないのに』
と絶望の表情を浮かべた奈月は、次の瞬間、
「ふざけないでよっ!!」
と我に返ったように叫び、手紙をビリビリに破きます。
そのまま母親の前からドタドタと立ち去る奈月。
母親はそんな奈月の後ろ姿を見つつ、
「…なにあの子、本当にヒステリーなんだから。
せっかくこの機会に仲を取り持ってやろうと思ったのに」
と呆れた顔でぼやきます。
母親はそれほど夫の晴喜に対してトラウマを持っていなく、また娘がそこまで晴喜に対してトラウマを持っているとは知らなかったのでした。
元々情緒不安定だった奈月は、このことをキッカケにますます精神が弱っていきます。
『誰も味方がいない…。
誰も助けてくれない…。
誰も私のことをわかってくれない…』
と塞ぎ込む奈月。
そんな奈月の元には、さらに追い打ちをかけるように大量の仕事が舞い込みます。
奈月は次第に、
『もう疲れた…。タヒにたい…』
と思うようになります。
感想・レビュー
個人的に奈月と境遇が似ているためか、私は前作の主人公の彩よりも今作の主人公の奈月の方がずっとずっと共感できました。
特に、
『加害者が謝ったら被害者は許さなければいけないのか?』
『許さないとまるで許さない側が悪いみたいになってしまう』
というくだりには、
「本当そう!よくぞ言ってくれた彩さん!」
と、激しく首を縦に振る思いでした。笑
これ本当にズルいですよね。
加害者は謝ることで肩の荷を下ろせ、さらには、
「謝ったのに許してもらえない…シクシク」
と被害者ムーブをかませ、逆に被害者はもう関わりたくもない相手にいきなり謝罪をされ、挙句の果てには、
「なんで許してあげないの、大人げない」
と周りから責められ、まるで加害者のよう扱われる(または『許せない自分は心が狭いのか!?』と余計な心労が増える)
絶対に許してもらえない相手に謝罪する場合このような加害者と被害者の逆転現象が起こることがあり…本当に恐ろしいことだと思います。
謝罪とは場合によっては相手を追い込む攻撃のような気がしてしまいます。
また上記の言葉以外にも、
『自分を散々傷付けた人が自分の知らない場所で普通に幸せに暮らしてる。それは傷付けられた側からすれば本当に許せないことだと思います』
という言葉もすごく共感できました。
これも本当にそう。
私が奈月の立場だったら、
『なんで私の親だった時には変われなかったの!?
私の存在はあなたが変わるには役不足だったってこと!?』
と非常にモヤります。
なまじあとから「俺変わったんだ!」と言われるとどうしてもそう思ってしまいます。
『あなたにとって娘の存在って何だったのさ!?』と余計にイライラしてしまいます。
なので最終的に奈月が父親を許さないまま終わるのは、ある意味胸がスッとしました。
うん、許しちゃダメですよ。…たぶんね。
…というか、奈月の彼氏の陽多が仏すぎましたね。
『仏の鳥羽』『仏の鳥羽』と何度か作中で出てきましたが、本当の仏はこの男ですよ。
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