引用元:笑ゥせぇるすまん『ユスリの落とし穴』
「第13話『ユスリの落とし穴(SP)』のネタバレ・レビュー」
についてご紹介していきたいと思います!
「この話の流れを簡潔に知りたい」
「この話のおさらいをしたい」
「この話のオチってどんなだったっけ?」
と気になる方はぜひご覧ください。
あらすじ・レビューにネタバレを含みます。
セリフは省略しているため一語一句同じではありません。
ご了承ください。
『ユスリの落とし穴』はこんなお話
ハピエン度 ☆☆☆☆☆
後味の良さ度 ☆☆☆☆☆
怖さ度 ★☆☆☆☆
グ口度 ☆☆☆☆☆
『ユスリの落とし穴』のあらすじ
海外留学ができずに落ち込む、エリート商社マンの襟戸 勉(28)
襟戸の会社には海外留学制度というものがあり、その留学に選ばれた社員には将来の出世が確実に約束されていた。
そして今年の留学には襟戸が内定していた。
喜ぶ襟戸だったが、その権利を突然同期の遊田(あそびだ)に取られてしまう。
遊田はコツコツ頑張ってきた襟戸とは違ってコネで会社に入りろくに仕事もしない男だったが、専務の娘をうまく口説き落として婚約し、専務の力を使って留学の権利を襟戸から奪ったのだった。
そのことを知った襟戸は、
「…やつは最初からそれが狙いだったんだ!でなけりゃあんな傲慢でわがままな女と結婚なんてするわけない!」
と、うまいこと自分から留学の権利をかすめとっていった遊田を恨み酒を呑んで荒れる。
そんな襟戸は、ある日呑み屋帰りに喪黒福造と出会う。
「あんまりだぁ、僕は青春のすべてを犠牲にして努力してきたのに、女と遊んでばかりのやつが留学を勝ち取るなんて…」
と嘆く襟戸に、
「よろしい、私があなたをお助けしましょう」
と喪黒は言い、
「とにかくその遊田さんとかいう人に留学を辞退させればいいのでしょう?」
と、鞄から盗聴装置を取り出す。
「これを遊田さんの電話に取り付けて会話を録音するのです、遊田さんの弱みを掴んで留学を辞退させるんですよぉ」
と提案する喪黒に、
「そ、それじゃあユスリじゃないですか!」
と襟戸は驚き、
「そんなこととても僕には…ひ、卑怯じゃないですか…」
と、眉をひそめて喪黒の提案を拒否する。
そんな襟戸に、
「あなたならできます!留学のためひたすら耐えてきたあなたならできる、あなたならできるのだぁ、ドーン!」
と、喪黒は指を差す。
翌日、襟戸は遊田の電話に盗聴装置を付けて会話を盗み聞きする。
その結果、遊田が専務の秘書とフリンをしていることを知る。
『専務の秘書は専務とも愛人関係だ…この事実が専務の耳に入ったら遊田は確実に留学の権利を取り消される、それどころか専務の娘との婚約も白紙になるかもしれない』
そう思った襟戸はすっかり悪い顔になり、念の為にと遊田と秘書のフリン現場も写真に撮りそれらを持って喪黒のところへと行く。
襟戸からテープと写真を渡された喪黒は、
「証拠はそろいましたなぁ、あとは私にお任せくださいな」
と言い、遊田とコンタクトを取る。
「突然ですがこの写真とテープを買ってください」
と喪黒が写真とテープを遊田に見せると、「こ、こんなもの一体どこで!?」と遊田は慌てふためき、
「…い、いくら出せばいいんだ?」
と、声を潜めながら喪黒に聞く。
そんな遊田に喪黒は対価として「海外留学辞退」を伝える。
驚く遊田だったがこの写真とテープを専務と専務の娘に見られるわけにはいかないと、泣く泣く海外留学辞退の条件を飲み込む。
喪黒の協力もあり無事遊田から留学の権利を取り戻せた襟戸は、
「喪黒さんのお陰です!留学が決定して天にも昇る心地ですよぉ、本当にありがとうございます!」
と喪黒にお礼を言い、2人で祝杯を上げる。
数日後、留学の権利を取り戻せた襟戸は、
「いよいよ留学かぁ…なんやかやと準備で大忙しだぞ」
と、留学準備のためにデパートへと来ていた。
するとそこで、白雪女学院というお嬢様学校の制服を着た女子高生がスカーフを万引きをしているところを偶然目撃してしまう。
「ま、万引きだ…!まさかあのお嬢様学校の生徒が…」
と驚く襟戸だったが、すぐに、
「こりゃあ…ニヒヒヒヒヒ」
と人の悪い笑みを浮かべて、急いで女子高生を追いかけ、
「…見たよ」
と、女子高生の腕を掴む。
万引きを襟戸に見られていたことを知った女子高生は、
「お願い、許してください、私このことがもしも学校に知れたら退学になってしまいます…許してください、何でも言う事聞きますから…」
と、泣きながら襟戸に頼み込む。
そんな女子高生に、
「何でも言う事聞く?…本当だね?」
と襟戸はニヤリとし、そのまま女子高生をホテノレへと連れて行く。
襟戸は遊田をゆすってうまくいったことで、すっかり人をゆすることに味を占めてしまったのだった。
まんまと女子高生をホテノレへと連れ込んだ襟戸だったが、しかし一部始終を見ていた喪黒がすぐにホテルへと乗り込んできて女子高生を助けそのままホテノレの外へと逃がす。
邪魔をされた襟戸は喪黒に憤慨するが、そんな襟戸に、
「せっかく留学が決定したのにあなたはそれを自分からぶち壊してしまいましたねぇ。ユスリの味を覚えたからといってあんな清純な乙女を脅してはいけませんよぉ、ひとつその償いをしていただきましょ」
と喪黒は言い、襟戸に1枚の写真を見せる。
そこには襟戸が女子高生を無理矢理ホテノレへと連れ込んでいる姿が写っていた。
「いつの間にこんなものを…!」
と驚く襟戸に、
「この写真を買ってください、このテープもお付けします」
と、喪黒はさらにホテノレ内で女子高生に迫る襟戸の音声が入ったテープも聞かせる。
慌てる襟戸に、
「あの年頃の娘には発作的に万引きをしてしまうような情緒不安定なところがあるものなんです、その弱みに付け込まれゆすられた彼女は心に深ーい傷を負ってしまいました、その慰謝料として100万円をご請求いたします」
と、喪黒は写真とテープの対価として100万円を請求する。
「100万円!?」
と驚く襟戸に、
「これもあの少女を立ち直らせたいという正当な理由があるからこそ言っているのです、お嫌ならその写真とテープ、上司にお渡しするまでです」
と喪黒は言い、そんな喪黒に、
「…わかりましたよ!払いましょう!あんたには留学行きを助けてもらった恩がありますからね、その礼金だと思えば安いもんです!」
と襟戸は開き直ったように言い、渋々喪黒の条件を飲むことにする。
襟戸から100万円を受け取った喪黒は、後日女子高生の元へ行き、
「あなたにとんでもないことをしたあの男からもらいました、万引きしたからといってあの男のしたことは許さませんよ」
と、女子高生に100万円を渡す。
戸惑う女子高生に、
「あの男も罪を悔いて少しでもあなたに償いをしたいと言っていました、遠慮なく受け取ってください」
と喪黒は言い、そのまま立ち去る。
ひとり残された女子高生は100万円が入った封筒を手にしばらく呆然としていたが、封筒に書かれた『エリート物産株式会社』という襟戸の勤める会社の社名と電話番号を見た瞬間、
「…フッ」
と、意味ありげに口角を上げる。
その頃、襟戸は就業後の会社でひとり残業をしながら、
「はぁ〜待ち遠しいな留学」
と、顔をニヤけさせていた。
そんな襟戸の元に、突然女子高生から電話がかかってくる。
『今この会社の地下の駐車場にいます、会いに来てください』
と言う女子高生に、『…会いに来てください?今更なんのようだ』と襟戸は警戒するが、女子高生をそのままにはしておけず仕方なく駐車場へと行く。
襟戸が駐車場へ行くと、
「お金は確かに頂きましたわ、でも、あんなはした金では…」
と、女子高生は顔を伏せながら襟戸へ言う。
その言葉に、
「なんだとっ!?100万円がはした金だって言うのか!?ええおい!」
と襟戸は激昂し女子高生に掴み掛かろうとするが、その瞬間、襟戸は女子高生が指に挟んでいたカミソリでネクタイを『スパッ』と切り裂かれてしまう。
突然の出来事に襟戸が驚きアワアワしていると、いつの間にか柄の悪い女子高生が複数人現れて襟戸を取り囲む。
身の危険を感じた襟戸は、
「来るなっ!おい、いいか!俺になんかしたらお前が万引きしたことを…」
と焦りながら啖呵を切るが、
「あなたも度胸のある方ね、この私を脅かそうなんて…白雪女学院裏番、カミソリおれんをナメるんじゃないよっ!」
と、突然豹変したように語気を荒げる女子高生の言葉に遮られてしまう。
「ヒッ…!?う、裏番だと?」
と動揺する襟戸に、
「これからは長ーいお付き合いになりそうね、これから一体どんなお礼をしてくださるのか、楽しみだわ…フフフフフ、アハハハハ!」
と、女子高生は高らかに笑う。
一方、襟戸の会社の前では、
「残念ながら、これで彼の海外留学は絶望になりました」
と、独りごちる喪黒の姿があった。
「それにしても美しい花が実は恐ろしい食虫植物だったとは…世の中なんともわからないもんですねぇ」
と喪黒は続け、その場を立ち去るのだった。
『ユスリの落とし穴』のレビュー
裏番!…なんともレトロな響きですねぇ。
この話が放送されたのは平成2年(1990年)ですが、この頃もまだいたのですねスケバンとか裏番って…。
何となくスケバンや裏番がいたのって昭和までで、平成に入ってからはもういなくなったのかと思っていました。
スケバンや裏番もそうですが、この話は万引きに対する扱いも少し時代を感じますね。
というのもこの時代はまだ万引きがそこまで重罪扱いではなかったような気がします。
この時代に放送されていた学園ドラマの中に、
「俺も子供の頃はやってた、万引き!っていうかみんなやったことあるよね!?」
と教師が嬉々としながら職員室で話し、それに周りの教師も、
「やってた!やってた!」
と笑いながら同調するというシーンとか普通にありましたからね(セリフはうろ覚えですが)
それくらい万引きがまだ軽い扱いだったのですよね。
なのでこの話の中の喪黒さんも万引きをした女子高生に比較的甘く、
「あの年頃の娘には発作的に万引きをしてしまうような情緒不安定なところがあるものなんです」
なんて擁護するようなことを言ってしまっているのだと思います。
今だったらこのセリフもありえないですけどね。
情緒不安定でも万引きは普通にダメでしょと…。
それにしても喪黒さん、女を見る目がないですねぇ。笑
あの女子高生の本しょうを見抜けずにピンチの度に助けるわ、万引きは咎めないわ、お金は渡すわ、少し見つめられただけで顔を赤らめるわで…ダメダメですねぇ。
あの女子高生が本気を出せばもしかしたら喪黒さんに勝てるかもしれないですね。笑
というか襟戸さんにホテノレへ連れ込まれた時も、たぶん女子高生は普通に襟戸さんに勝てたのではないかと…カミソリいつも持ってそうですし。喪黒さんが助けるまでもなく。
それくらい本しょうがヤバい女子高生なので、この女子高生に何もお咎めがなく終わるのはちょっともやもやしましたね。
それにしても喪黒さんが女子高生を助けようとホテノレに乗り込んだシーンで、ホテノレの鏡張りの部屋に喪黒さんの顔が映りまくって増えまくっていたのは怖かったですね。笑
暗闇に浮かぶ大量の喪黒さんの顔に囲まれての「ドーン!」
…トラウマになりそうですね。
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