引用元:笑ゥせぇるすまん『リストラの男』
今回はアニメ『笑ゥせぇるすまん』の、
「第125話『リストラの男(SP)』のネタバレ・レビュー」
についてご紹介していきたいと思います!
「この話の流れを簡潔に知りたい」
「この話のおさらいをしたい」
「この話のオチってどんなだったっけ?」
と気になる方はぜひご覧ください。
あらすじ・レビューにネタバレを含みます。
セリフは省略しているため一語一句同じではありません。
ご了承ください。
『リストラの男』はこんなお話
バドエン度 ★★☆☆☆
怖さ度 ☆☆☆☆☆
グ口度 ☆☆☆☆☆
『リストラの男』のあらすじ
仕事がうまくいかない、セールスマンの彼木 尚平(かれき しょうへい)53歳。
彼木は自動車会社の事務員を30年近くやっていたが、一ヶ月前にリストラに合い同じ会社の営業に回されていた。
しかし営業の仕事が肌に合わない彼木は自社の車を一台も売ることができず途方に暮れていた。
そんな彼木は、ある日公園で喪黒福造と出会う。
「私にセールスは無理なんです…だからもう今は朝から晩まで公園で時間を潰しているんです。ワイフは何も知らないで毎日お弁当を作ってくれます、それが辛いのです…。いつまでもこのままでは続きません、近々会社を退職しようかと思っているんです」
とぼやく彼木に、
「退職?それこそ会社の思う壺ですよ、リストラとか尤もらしい事言ってますけど要するに会社としては人減らしをしたいのです、つまりあなたを不適任なところへ配置転換させ自分から退職させるように仕向けているんですよ」
と、喪黒は返す。
「そうか…」
と落ち込む彼木に、
「私が良い知恵を出しましょう」
と喪黒は言い、
「セールスという仕事もなかなか面白いもんです、あなたの隠れた才能が発揮されるかもしれませんよぉ」
と、同じセールスマンとして彼木に力を貸すと言う。
次の日、喪黒は彼木に、
「あなたのコーチです、これからは彼の言うままにやってみてください」
と、セールスのコーチだと言う男せいを紹介する。
その男せいは、
「あ、どうも初めまして、只野ボンジといいます」
とニコニコと物腰低く挨拶をする、何とも頼りにさそうな男せいだった。
『この人がコーチ?』
と内心怪訝に思いながらも、彼木は喪黒に言われた通り只野に着いて行く。
すると只野は住宅街へと入り、駐車場に停めてある走行距離が多そうな車を見つけ出して、家主に「ボランティアで洗車をします!」と言ってその車を洗車し始める。
そして洗車をし終わったあとは喜ぶ家主に何も売りつけずにニコニコと去って行く。
只野のやっていることがイマイチわからず、
「…あんなにピカピカの新車みたいにしたら車を買い替える気がなくなるんじゃないかな?」
と、彼木が疑問を口にすると、
「あの車は耐用年数の限界に来ていますから必ずや近い内に買い替えます、その時こそ日頃の奉仕が生きてくるのです、さてでは次の家にアタックしましょう!」
と、只野はニコニコと答える。
只野の気の長くも計算されたせん略に、彼木は素直に感心する。
後日、彼木は再び会った喪黒に、
「あの人あどけない顔してすごいやり手ですねぇ」
と、興奮したように只野について話す。
「はぁい、あの顔についお客は気を許してしまうのです、トップセールスマンの極意はお客に強引にではなく自然に商品を買いたいと思わせるところにあります、その点彼は天才的なものを持っています」
と返す喪黒に、
「彼にずっと着いていたらサムシングを掴んだような気がします、なんだか僕にもやれそうな気がしてきました!」
と、彼木は自信が湧いてきたような顔で意気揚々と言う。
そんな彼木に、
「そりゃ結構」
と喪黒は言いつつも、
「しかし彼木さん、セールスという仕事はなかなか奥が深いもんですからもう少し只野氏のやり方を研究してくださいねぇ、セールスの真髄は商品を売るよりまず自分を売り込むことです、あまり早く結果を求めてはいけません、自分を売り込むことに成功すれば結果は自ずとついてきますよぉ」
と、忠告をする。
喪黒の忠告にやる気を削がれた気がした彼木は、
「はぁ、いや、しかし…」
と、曖昧に返事をする。
喪黒から慎重になるようにと忠告されたものの、彼木は日に日に強くなる会社からの退社を促す圧力にいよいよ耐え切れなくなっていた。
そのため、
『ええい!何とかなるだろう…!』
と彼木は只野と住宅街を回った数日後、洗車をさせてもらった1軒の家へと行き、
「…実は本日は、新車の試乗車をお持ちしました!」
と、多少強引に新車のセールスをする。
しかし当然ながら家主は、
「はぁ!?あなたたち車のセールスマンだったの!?ボランティアで洗車とかうまいこと言って車を売りつけるつもりだったのねぇ!」
と怒り出し、
「あんたんとこからは絶対買わないからね!とっとと帰ってっ!」
と、玄関のドアを乱暴に閉めて彼木を拒絶する。
彼木は気を急いたことで完全にやらかしてしまったのだった。
『失敗した…」
と彼木が公園のベンチで落ち込んでいると、そこへ喪黒がやって来る。
「彼木さん、あなた私の言う事聞かないで全部ぶち壊してしまいましたねぇ、あなたやっぱり車のセールスに向いてないようですなぁ」
と言う喪黒に、
「わ、私は…」
と彼木が狼狽えていると、
「もうあなたは転職するしかありませーん、ドーン!」
と、喪黒は彼木に指を差す。
後日、公園には、
「坊や…おじさんが坊やの三輪車綺麗にしてあげよう…だからね、今度買う時はおじさんから三輪車買ってねぇ…フフフフフ…」
とか細い声でボソボソと喋りながら、子供の三輪車を勝手に洗車する彼木の姿があった。
『リストラの男』のレビュー
せっかく只野さんや喪黒さんからセールスの極意をたくさん教えてもらったのに、気を急いたことですべてぶち壊してしまった彼木さん…やるせないですね。
それにしてもこの話は冒頭の方(2∶50〜3∶06)で喪黒さんと彼木さんが、
『ほぉリストラ』
『ええrestructuring(リストラクチャリング)、事業の再構築ということらしいです』
『不況に陥った企業が現状打開のために思い切った社内の配置転換などをやることですな』
と、『リストラ』についてやけに丁寧に説明していて少しビックリしました。
調べてみるとリストラという言葉は1990年代初頭辺りから使われ始めた言葉らしいので、この話が放送された1993年はまだ馴染みがなかった人が多かったためこんなに丁寧に説明したのかもしれませんね。
しかしリストラと言う言葉が当時と今とで微妙に変わっていることにも驚きました。
当時はrestructuring(リストラクチャリング)、略してリストラと、本来の意味での成長せん略における構造改革の意味で使用されていましたが、今はリストラというとほとんどが解雇のことを意味しますからね。
時代と共に言葉の意味も変わっていくんだなと興味深かったです。
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