引用元:笑ゥせぇるすまん『想い出酒場』
今回はアニメ『笑ゥせぇるすまん』の、
「第63話『想い出酒場』のネタバレ・レビュー」
についてご紹介していきたいと思います!
「この話の流れを簡潔に知りたい」
「この話のおさらいをしたい」
「この話のオチってどんなだったっけ?」
と気になる方はぜひご覧ください。
『想い出酒場』はこんなお話
バドエン度 ★★★★★
怖さ度 ★★★★★
グ口度 ★★★★★
『想い出酒場』のあらすじ
最近のカラオケバーに馴染めない、サラリーマンの開高 角太郎(かいこう すみたろう)60歳。
開高は最近の若者に流行りの賑やかなカラオケバーに馴染めず、昔の節度のあった静かな酒場を恋しがっていた。
そんな開高は、ある日バーのトイレで喪黒福造と出会う。
「きっぷの良いママ、心根の優しい純情なホステス、それに腕の良いバーテンがいてそれは居心地が良かった…」
と、昔の酒場を懐かしむ開高に、
「あなたにピッタリの店があるんですがご一緒しませんか?」
と喪黒は提案し、開高をCAFE AKANEKO(カフェ赤猫)という酒場へと連れて行く。
地下街の細く入り組んだ通路を抜けて地上へと出た先にあるCAFE AKANEKOは、大正ロマン風の落ち着いた酒場だった。
「いや〜感激ですなぁ、昭和一桁生まれの私にとって大正ロマンは憧れですからね」
とCAFE AKANEKOの風情ある雰囲気に感激する開高は、そこで悦子という着物を着たホステスにお酌をしてもらう。
悦子はとても品が良くて慎み深いホステスだった。
開高はホステスとして理想通りの悦子にすっかりのぼせ上がってしまう。
店の雰囲気と何よりも悦子のことを気に入った開高は、
「喪黒さん、本当にいい店を紹介してくれましたねぇ」
と喜び、次の日から毎晩CAFE AKANEKOへと通うようになる。
毎回目当ての悦子にお酌をしてもらい、
「いやぁ、一度来てからというもの悦っちゃんの顔を見ないと寝つきが悪くてねぇ」
と嬉しそうに話す開高に、
「まぁ、開高さんったら…」
と、悦子は頬に手を添えて顔を赤らめる。
そんな悦子を開高は熱っぽく見つめる。
開高はすっかり悦子に惚れてしまったのだった。
一度トイレへと席を外した開高は、
「あぁ…我が人生第二の幕開けだ」
と笑顔で呟き、久しぶりの恋に年甲斐もなく浮かれる。
そんな開高の元へ喪黒がやって来る。
「恋ですか?…開高さんご忠告しておきますがこの店はノスタルジックな気分に浸るためにあるのです、恋をする場所ではありません、これ以上通い詰めたらとんでもないことになりますよ、もう来ない方があなたのためです」
と、突然開高に忠告をしてくる喪黒に、
「そ、そんな!私が自分の金で飲む以上どこで飲もうと勝手でしょう?」
と開高は怒ったように言い返す。
「後悔しないでくださいねぇ」
と続ける喪黒に、「…失礼!」と開高は腹立たしげに背中を向けてトイレから出て行く。
トイレから出て悦子の元へと戻った開高は、
「悦っちゃんに貰って欲しいんだ」
と、プレゼントにと持ってきていた指輪を悦子に渡す。
「まぁ…!開高さん、私、で、でも…」
と遠慮がちに戸惑う悦子の指に、開高はそっと指輪を嵌める。
指に嵌った綺麗な緑色の石が光る指輪を見た悦子は、
「開高さん…嬉しい…」
と、頬を染めて静かに嬉し涙を流す。
そんな悦子を開高はそっと抱き寄せる。
抱き寄せられた悦子は、
「…開高さん、明日もいらっしゃる?」
と、どこか不安そうに尋ねる。
「ああ、必ずね」
と力強く返す開高に、
「…お待ちしております」
と、悦子はそっと呟く。
翌日、開高は会社帰りにいつものようにCAFE AKANEKOへと向かっていた。
しかしCAFE AKANEKOへと続く地下街の細い通路の入口がその日は何故か見つからなかった。
いつの間にかその通路の入口はコンクリートで塞がれてしまっていたのだ。
そのことに気付かない開高は、
「ん?おかしいな道を間違えたか?いや〜たしかにここだぁ…そ、そんな、バ力な…!」
と動揺し、CAFE AKANEKOへと続く通路を必タヒで探し回る。
そんな開高の前へ、
「どうなさいました?」
と、喪黒が現れる。
「あ、喪黒さん!…あの赤猫はどこに!?」
と焦ったように聞く開高に、
「さぁ、私には?」
と、喪黒はとぼける。
「喪黒さんが知らないわけないじゃありませんか!どうか教えてください!お願いします!」
と声を荒げる開高は、
「私はどうしてもあの店が!…いえ、悦っちゃんのことが忘れられないんです」
と、どうしても悦子のことが忘れられないと俯く。
そんな開高に、
「本当に困った人ですね、どんなことになっても知りませんよぉ」
と、喪黒は言う。
「…構いません!教えてください!どこにあるんです!?」
と、喪黒の言葉に力強く顔を上げる開高に、
「ここです」
と喪黒は開高の顔に向かって、
「ドーン!」
と指を差す。
ハッと開高が目を覚ますと、目の前にはCAFE AKANEKOがあった。
しかしCAFE AKANEKOは今にも崩れ落ちそうなほど朽ち果て、ボロボロの廃墟のようになっていた。
「いったい…これは…!?」
とわけがわからず驚愕に目を見開く開高は、とりあえず廃墟のようになったCAFE AKANEKOの中へと足を踏み入れる。
外同様中もボロボロになっている店内を開高が戸惑いながら進んでいくと、
「開高さん…」
と、突然開高は誰かに名前を呼ばれる。
その声は悦子だった。
開高が声のした方へ視線を向けると、暗闇の中に緑色の指輪の石だけが光っていた。
「悦っちゃん!」
と、悦子がいたことにホッとした開高は、
「よかった…!」
と暗闇の中、光る指輪を目掛けて手を伸ばし悦子の手を握り締める。
しかしすぐに違和感を感じ、
「ん…!?」
と、開高はその手をそっと離す。
するとその衝撃で悦子の指からはスルスルと指輪が外れ、カシャン…と床に落ちる。
悦子の指はちょっとした衝撃で指輪が外れてしまうほど細く萎びていた。
「あああ…!?」
と開高がその手に衝撃を受け恐る恐る悦子の顔を見ると、そこには、
「お待ちしておりました…ずっと…ずっとぉ…っ!」
と、蛆虫をこぼれ落としながら眼窩と口を大きく開く骸骨の顔があった。
「うわあああああ!?」
と開高は青ざめて絶叫する。
そんな開高の叫び声が響き渡るCAFE AKANEKOの前にいた喪黒は、
「時というものは残酷ですなぁ、どんな可憐な花も無惨に枯らしてしまいます、大正も遠くなりにけりですなぁ、俺は変わらぬ〜枯れススキ〜♪ときちゃいますねぇ、オーホホホホホホホホホ」
と、ひとりごちながら去っていくのだった。
『想い出酒場』のレビュー
地下街の狭い通路を通り抜けてCAFE AKANEKOへと行く…
『笑ゥせぇるすまん』にたまに出てくるこういった街中のどこにでもありそうな場所から不思議な場所へ行くという演出が大好きです。
ワクワクします。
最後に通路がコンクリートで塞がれて行けなくなるのもいいですね。
ゾクゾクします。
CAFE AKANEKOは大正ロマン風な酒場でしたが、本当に大正時代にあったのかもしれませんね。
喪黒さんと開高さんは通路を通り抜ける途中で大正時代にワープしていたのかもしれません(そういえば喪黒さんも酒場の中で説明をする時に「大正ロマン風の店です」とは言わずに「今は昔、大正ロマンの世界ですよ」と言っていましたしね)
そして開高さんが最後に喪黒さんに「ドーン!」されたあとは、現代のCAFE AKANEKOの前に飛ばされたのかもしれませんね(この「ドーン!」の時に喪黒さんが「ここです」と開高さんの顔に向かって指を差す演出もいいのですよね、なかなかにエモいです)
なので店がボロボロになっており、悦っちゃんも骸骨になってしまっていたと…。
大正時代からずっと開高さんを待っていた悦っちゃん…切ないですね。
しかし骸骨になって、
「お待ちしておりました…ずっと…ずっとぉ…っ!」
と、蛆虫をこぼれ落としながら眼窩と口を大きくクワッと開く悦っちゃんの姿はなかなかにホラーでした…。
しかもこのシーン、悦っちゃんが骸骨になっているため笑っているのか泣いているのか怒っているのか微妙に判別できないというところがまた怖いのですよね。
最初は「やっと来てくれたのねぇ!」と嬉しそうにしているように見えたのですが、何回か見ている内に「待ってたのに…ずっとずっと…待ってたのにぃぃぃ!」と恨み節のようにも見えてきて泣いてるようにも怒ってるようにも見えます。
…まぁそりゃあ骸骨になるまで待たされたら怒りたくもなりますけどね。
開高さんは責任を取って娶ってあげなきゃダメですね。
それにしても開高さんが悦っちゃんを好きになったのは老いらくの恋といった感じでどことなく切なくて純情な恋心といった感じがしていましたが、この話のレビューに、
『初見は開高さんはノスタルジーに飢えた善人かと思っていたが、数回見直すと昔は遊び人で悦っちゃんを毒牙にかけようとして制裁されたように見える』
と書いている方を見つけて、
「なるほど…」
とも思ってしまいました。
確かにそう考えると、喪黒さんが初めて開高さんに会った時に言っていたセリフにも納得がいくのですよね。
トイレで横並びになった時に開高さんの下半身を見ながら、
「オーホホ、よほどいい思いをしたと見えて歴せんのツワモノもだいぶくたびれてますなぁ」
と言った喪黒さん。
ただの失礼な軽口かと思っていましたが、喪黒さんは開高さんの遊び人だった過去を見抜いていたのかもしれませんね。笑
あ、あとこの話はCAFE AKANEKOで開高さんと喪黒さんが話しているシーンにちょっとした作画ミスがありましたね。
こちらに画像付きでまとめてあるので気になる方はぜひ確認してみてください↓
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