引用元:笑ゥせぇるすまん『幻のスタア』
今回はアニメ『笑ゥせぇるすまん』の、
「第75話『幻のスタア』のネタバレ・レビュー」
についてご紹介していきたいと思います!
「この話の流れを簡潔に知りたい」
「この話のおさらいをしたい」
「この話のオチってどんなだったっけ?」
と気になる方はぜひご覧ください。
『幻のスタア』はこんなお話
バドエン度 ★★★★☆
怖さ度 ★☆☆☆☆
グ口度 ☆☆☆☆☆
『幻のスタア』のあらすじ
老人ホームで暮らしている、元映画俳優の勝手 良三(かって りょうぞう)74歳。
勝手は若い頃に『星 新三郎(ほし しんざぶろう)』という芸名で映画俳優をしており、日本でその名前を知らない人はいないほどの有名人だった。
そんな勝手は、ある日老人ホームの前で喪黒福造と出会う。
「星 新三郎も今じゃすっかり忘れられ、僕自身すっかり老いぼれちまって…スターの末路なんてだいたいこんなもんさ」
と、苦笑いで今を悲観する勝手に、
「勝手さん、お望みなら昔の人気を取り戻して差し上げましょうか?」
と喪黒は言う。
喪黒の言葉に、
「…しかし、どうやって昔の人気を取り戻すんだね?」
と勝手が訝ると、
「私のマーケティングにお任せください」
とだけ言って喪黒は去って行く。
数日後、世間には空前の星 新三郎の再ブームが起こっていた。
若い人から年寄りまでがみんなこぞって、
「星様って超素敵よね!」
「私星様のビデオ全部見ちゃった!」
「懐かしいわねぇ、昔は私も星様の映画ばかり何度も観に行ったものよ」
「星 新三郎ってまだ生きてるんでしょ?きっと素敵なロマンスグレーになってるわねぇ」
と言い、星 新三郎のビデオや特集が組まれた雑誌を買い漁っていた。
特に星 新三郎の代表作である『月星 半平太(つきぼし はんぺいた)』という時代劇シリーズが人気を博しており、レンタルビデオ屋で月星 半平太シリーズは常にレンタル中になっていた。
喪黒のマーケティングのお陰で再び星 新三郎が世間で注目を集めるようになり、勝手は「フフフフフ」と内心上機嫌だった。
後日、再び喪黒に会った勝手は、
「いや〜本当にすごい人気ですなぁ!みんなあなたのお陰です」
と喪黒にお礼を言い、
「老人ホームのおばあちゃんたちも大はしゃぎしていまして、名乗り出るにも出づらくて…」
と、照れたように笑う。
そんな勝手に、
「それは黙ってた方がいいでしょう」
と喪黒は言う。
「え?何故です?」
と不思議そうな顔をする勝手に、
「これはぜーんぶ星 新三郎宛てのファンレターです」
と言いながら、喪黒は勝手の前に大量のファンレターを出して見せる。
「『星様に会いたい!私の胸はもう張り裂けそう!』…内容はどれもこんなもんです、もし今のあなたの姿をこのようなファンの人たちが見たらぁ?」
と聞く喪黒に、
「…恐らくがっかりするでしょうなぁ」
と、勝手は自身の年老いた姿を自覚して悲しそうに答える。
そんな気落ちした勝手に、
「全国の女せいたちの夢を壊さずにそっとしておきましょう、神秘のベールに包まれた星 新三郎のその後、益々人気が高まりそうですなぁ」
と喪黒は言い、黙っていた方がみんな幸せだと勝手を諭す。
勝手が自分が星 新三郎だと名乗ることを諦めた数日後、世間には、
「私が星 新三郎です」
と名乗るひとりの男せいが現れる。
テレビ番組に出てきたその男せいは、
「私の昔の作品が今の若い人たちにウケているとは嬉しい限りです」
とにこやかに話す。
年老いはいるものの爽やかなロマンスグレーのその男せいに、勝手が住む老人ホームの女せいたちは、
「素敵!」
「昔の面影そのままねぇ!」
と、テレビを見ながらはしゃぐ。
そんな女せいたちのうしろでは、
「そ、そんなバ力なことが…!」
と、勝手が怒りに震えていた。
自分の偽物を名乗る者が現れ、しかもそれを世間の人たちがみんな信じていることに我慢がならなくなった勝手は、
「みんな!騙されるなぁ!こいつは偽物だ!本当の星 新三郎は…この僕だっ!僕が星 新三郎だっ!僕が星様なんだぁ!」
と、世間に名乗り出る。
すると世間は面白がり、
『どちらが本物の星 新三郎なのか!?』
と2人に注目し、テレビ番組で特集が組まれる。
勝手と星 新三郎を名乗る男せいは2人一緒にテレビ番組に呼ばれ、それぞれ星 新三郎に関する質問を答えさせられる。
しかし2人ともすべての質問に答えられてしまったため、司会者は奥の手として、
「さぁ!正解はこの方に発表してもらいましょう!」
と言い、スタジオに呼んでいたある男せいを紹介する。
その男せいは、星 新三郎作品のほとんどを手掛けたオオシマ ジュウゾウ元映画監督だった。
星 新三郎を長年撮り続けてきたオオシマ監督ならどちらが本物か分かるだろうということで、司会者は、
「さぁ監督!本物の星 新三郎はどっちでしょう!?」
と監督に聞く。
すると監督は年老いて震える手で、
「…あっち」
と、勝手のことを指差す。
「おお!」
と『監督は分かってくれた!』と感激する勝手に、続けて監督は、
「あっちが偽物です」
と、勝手を指差したまま言う。
その言葉に勝手は絶望の表情を浮かべる。
そんな勝手の隣では、
「ありがとうございます!私が本物の星 新三郎です!」
と、星 新三郎を名乗っていた男せいが勝ち誇ったように笑顔でお辞儀をしていた。
テレビ局からの帰り道、
「ワシは…ワシはいったい誰なんじゃ…?」
と、勝手は自信を失ったように呟きながらトボトボと墓地の中を歩いていた。
するとそんな勝手の前に、着物を着て帯刀した喪黒が現れる。
「星 新三郎!…勝手さん、私があれほど止めたのに自分が星 新三郎だと名乗り出てしまいましたねぇ」
と、時代劇口調で言う喪黒に、
「その格好は?」
と勝手は戸惑いつつも、
「…へっ、名乗り出たはいいですが偽物扱いされてしまいました」
と、勝手は疲れたような笑顔を浮かべて答える。
「だから言ったでしょ、もう一生あなたはだーれからも星 新三郎とは思われないでしょうなぁ」
と続ける喪黒に、
「ワシも自分が本当に星 新三郎だったのか…分からなくなってきましたぁ」
と、勝手は涙ぐむ。
そんな勝手に、
「こうなったらあなたは月星 半平太になるしかなぁい!勝手 良三も星 新三郎も今ここでタヒんでもらいます!そして月星 半平太に生まれ変わるのでーす!」
と喪黒は言い、
「ドーン!」
と、勝手に刀で斬りかかる。
後日、老人ホームの庭では勝手がひとりで映画撮影をしていた。
着物を着てちょんまげのカツラを被り月星 半平太に成り切った勝手は、大勢の老人たちが野次馬的に見守る中カメラの前で見事な刀さばきを披露する。
そんな中、
「…あんたまたバ力なことを!共同生活なのに勝手なことばかりしおって!」
と、老人ホームの管理者が怒りながら庭へとやって来る。
自分の邪魔をする管理者が時代劇の敵役に見えた勝手は、しばらく静かに刀を構えたのち、
「…キエー!」
と叫びながら、管理者に向かって刀を振り上げる。
そんな悲劇的なことが起こっている老人ホームの外に立っていた喪黒は、
「心の隙間お埋めする〜♪我こそ喪黒福造〜♪オーホホホホホ」
と、ひとりごちながら去って行くのだった。
『幻のスタア』のレビュー
これは…これは…なんだかとても悲しい話で後味が悪いですね。
誰からも星 新三郎だと信じてもらえなかった勝手さんが可哀想すぎます。
というかあの映画監督、絶対どっちが本物の星 新三郎かなんてわかってないでしょう!笑
勝手さんは年老いていますし、監督自身も相当年老いていますしね。
あんなので最終決定したらダメでしょう。
しかしあまりにも勝手さんが星 新三郎だと世間から信じてもらえないため、ワンチャン、
「あれ?…もしかしてこれ勝手さんがボケていて自分のことを星 新三郎だと思い込んでる説もある?実はあのロマンスグレーの男せいが本物の星 新三郎だったりする?」
とも思ったのですが、勝手さんことを紹介する冒頭のテロップに『元・映画俳優 星 新三郎』と出ていたのでたぶんこの説は間違っているのではないかと思います。
『勝手さんがボケている説もあるよ』と含みを持たせるなら、最初のテロップには『無職』などと出すでしょうからね。
テロップに堂々と『元・映画俳優 星 新三郎』と出ていたので、恐らく勝手さんは本当に星 新三郎だった…のだと思います(テロップは嘘をつかないと信じてる)
まぁ微妙にどちらか分からないという絵描き方をしているのもまた面白いですけれどね。
しかし勝手さんが本物の星 新三郎だったとして、結局それを信じてくれたのは喪黒さんただひとりだけでしたね。
「ワシも自分が本当に星 新三郎だったのか…分からなくなってきましたぁ」
と涙ぐむ勝手さんのシーンには胸が痛みましたが、まぁ喪黒さんだけは信じてくれていたので、しかも最後に「星 新三郎!」と呼んでくれてもいたのでまだ良かったのかなと思ってしまいました(喪黒さんだけは信じてくれていたと信じてる)
第30話の『重役と窓際』でも思いましたが、自分を自分だと信じてもらえないというのは恐ろしいですね。
つくづく自己の証明というのは難しいものなのだなと感じてしまいました。
それにしても勝手さんの耳が遠いため、
「え?何ですって?」
と聞き返された喪黒さんが、
「昔の人気を取り戻して差し上げましょー!」
と、大声で言い直していたシーンには笑いました。
普段割と静かに喋る喪黒さんがあんなに大声を出すなんて。笑
それと、勝手さんに星 新三郎の面影を見て、
「はぁ〜確かにそんな気もぉ〜」
と、ゆーっくりと首を傾げていく喪黒さんも面白かったです。
首の可動域よ、ほぼ真横になっていましたね、フクロウみたいですね。
引用元:笑ゥせぇるすまん『幻のスタア』
あとこの回は「ドーン!」の時に喪黒さんが指を差していないのがレアですね。
まさか「ドーン!」と言いながら刀で斬りかかるとは。
このシーンの着物を着た喪黒さん、とてもカッコいいです。
着物を着た喪黒さんは、こちらの記事に画像付きでまとめてあります↓
老人ホームから降ってきたビデオテープに当たって潰れて倒れる喪黒さんも可愛かったですね。
「ほや?」があざといです。笑
ビデオテープに当たって潰れて倒れる喪黒さんは、こちらの記事に画像付きでまとめてあります↓
あとこの回は最後に喪黒さんが何も言わずに歌うだけで去って行くのも結構レアでしたね。
最後に歌うことはたまにありますが、大抵そのあと何かしら喋っていますからね。
この回はただ歌いながら自己紹介するだけで去っていったのでちょっと面白かったです。
次の話(76話)↓
前の話(74話)↓
【全話】『笑ゥせぇるすまん』のネタバレ・レビュー
【小ネタ】『笑ゥせぇるすまん』の面白記事まとめ【作画ミスなど】
小ネタ・作画ミス・喪黒福造の正体・マスターの正体・もぐ虐・美女ランキング…
など、『笑ゥせぇるすまん』に関する面白記事が一気にまとめて見られます↓
笑うセールスマン わらうせえるすまん もぐろふくぞう 感想