引用元:笑ゥせぇるすまん『家庭教師』
今回はアニメ『笑ゥせぇるすまん』の、
「第108話『家庭教師』のネタバレ・レビュー」
についてご紹介していきたいと思います!
「この話の流れを簡潔に知りたい」
「この話のおさらいをしたい」
「この話のオチってどんなだったっけ?」
と気になる方はぜひご覧ください。
あらすじ・レビューにネタバレを含みます。
セリフは省略しているため一語一句同じではありません。
ご了承ください。
『家庭教師』はこんなお話
バドエン度 ★☆☆☆☆
怖さ度 ☆☆☆☆☆
グ口度 ☆☆☆☆☆
『家庭教師』のあらすじ
息子の受験のことで悩んでいる、サラリーマンの横道 行雄(41)
横道の息子の学(マナブ)は現在小学生なのだが、横道の妻は学を有名中学校に入れたくて日々受験のために学の勉強を熱心に見ていた。
しかし横道はあまりできのよくない学に無理に勉強を強いるのは忍びなく、
『受験などせず、子供は子供らしく遊ばせてあげたい…』
と、密かに思っていた。
そんな横道は、ある日学の通っている塾の中で喪黒福造と出会う。
「受験生の親御さんも大変ですなぁ、たまのお休みもお子さんの付き添いとは。優秀な家庭教師でもご紹介しましょうか?」
と話しかけてくる喪黒に、
「いや〜結構です、私はむしろ息子を思いっきり遊ばせてやりたいと思っているんです、子供らしい遊びもできずに毎日毎日勉強に追われている息子が可哀想で…」
と横道は顔を伏せながら答え、喪黒の申し出を断る。
しかし喪黒は、
「それでしたら尚の事いい人を紹介しますよ?まぁ私にお任せください、では」
と言い、
「いや〜あの、しかし…」
と口籠る横道を置いて去って行ってしまう。
翌日、横道が会社から帰宅すると、
「あなたったら、学の教育には無関心そうにしてたけどちゃんと考えてくれてたのね!見えてるわよ、喪黒さんから紹介されたっていう家庭教師の先生が」
と、横山の妻が嬉しそうに玄関へと出迎える。
「喪黒?おかしいな、その話は断ったはずだけど…」
と眉をひそめた横道は、とりあえず妻と一緒に学の部屋へと向かう。
すると学の部屋から、
「先生!もっといろんな遊びを教えてよ〜!」
と、楽しそうにはしゃぐ学の声が聞こえてくる。
驚いた妻が部屋を開けると、そこにはメンコやボードゲームで遊ぶ学と家庭教師の姿があった。
てっきり勉強をしていると思っていた妻は、
「先生!?困ります!遊んでいないで勉強しっかり教えてください!」
と、困惑して大声を上げる。
しかしそんな妻に家庭教師の男せいは、
「いいえ、私は遊び専門の家庭教師ですから」
と、しれっと答える。
「な、なんですって!?」
と驚く妻に、
「人間には、特に子供には遊びが必要なのです、また遊びによりストレスを発散し勉強の能率を上げることも…」
と家庭教師は遊びの大切さを説き始めるが、
「遊んで成績が上がれば苦労はありませんわ!」
と妻はヒステリックに叫び、家庭教師を追い出そうとする。
しかし、常々『学にはもっと遊ぶ時間が必要なのでは?』と思っていた横道は、
「…先生、分かりました、息子をお願いします」
と家庭教師に言い、驚いて喚く妻をなだめながら学の部屋を出て行く。
横道は試しに遊び専門だという家庭教師に学を任せてみることにしたのだ。
数日後。
学は家庭教師にたくさんの遊びを教えてもらい、毎日生き生きと楽しそうに過ごしていた。
そしてそれと同時に意外にも成績も上がっていった。
どうやら『遊びによりストレスを発散し勉強の能率を上げる』という家庭教師の言葉は嘘ではなかったようだ。
喜んだ横道は、後日再び会った喪黒に、
「いや〜喪黒さん、本当にいい人を紹介してくださいました!正直言って勉強の方はそれほど期待していなかったのです、それが最近成績がグンと上がりましてね、女房も大喜びですよ!しかしなにより私は全てに無気力だった息子が生き生きとしてきたのが嬉しいんです」
と、明るい顔で報告する。
「それは良かったですなぁ、あなたが満足されたらそれで十分なのです。それに私も最近の受験一辺倒の学校教育には疑問を持っていたのです、ゆとりを持ってそれぞれの子供の才能を伸ばす教育がなされるべきですよぉ」
と返す喪黒に、
「まったく同感ですねぇ」
と、横道は笑顔を浮かべる。
数日後、学に遊びを教えていた家庭教師は、
「私の仕事はここまでです、なにしろこの短い間にマナブ君は私が教えたこと全てをマスターしてしまったのですから」
と横道夫妻に話し、マナブの家庭教師からの卒業を言い渡す。
「先生、どうもありがとうございました!」
と感謝を述べる横道夫妻に、
「いいえ私の力ではありません、学君に才能があったからです、才能が…」
と、家庭教師は静かに言い去って行く。
家庭教師が去ってしばらく経ったある日、横道は自宅に会社の同僚を呼んでマーシ"ャンをしていた。
それを見ていた学は、
「僕を混ぜてよ!」
と、横道たちに言う。
「学、お前マーシ"ャンもできるのか!?」
と驚いた横道は、試しに学にマーシ"ャンをやらせてみる。
すると学は大人たちを差し置いて次々と勝っていく。
最初は、
「参ったなぁ〜」
「我々もうかうかしてられませんねぇ〜」
と笑っていた同僚たちも、次第に学の異常なマーシ"ャンの強さに不気味そうに青ざめていく。
横道も、
「ま、学、お前…」
と、驚愕しながら学を見ていた。
そんなことがあった数日後、横道は勤務中に、
「塾から学が帰って来ないの!塾に電話したら『最近塾には来てない』って言うし…」
と、焦った様子の妻から電話で連絡を受ける。
驚いた横道は、急いで仕事を切り上げて学を探しに行く。
「まったく学のやつ、一体どこへ行ったんだ…」
と当て所もなく街を探し回る横道は、そこで喪黒と出くわす。
「お久しぶりですな、その後いかがです」
と話しかけてくる喪黒に、
「そ、それが、最近息子の様子がおかしいんです…!今日もまだ家に帰ってなくて」
と、横道は慌てながら喪黒へ説明する。
すると喪黒は、
「横道さん、今なら間に合うかもしれません」
と言い、
「ただちに息子さんのところに行きなさい、ドーン」
と、横道に指を差す。
気が付くと、横道はとある場末の雀 荘の前で倒れていた。
横道は導かれるようにフラフラとその雀 荘に足を踏み入れ、そっと中を覗いてみる。
すると中には学がいて、ガラの悪そうな大人たちとマーシ"ャンをしていた。
学は大人たちに圧勝し、
「このガキゃ〜」
「𠂊ソ〜、もう借りや借り!」
と、青ざめながら嘆く大人たちに、
「おじさん、それはないですよ!勝負は勝負ですよ、払うものはキッチリ払ってもらいましょうか」
と、ドスをきかせていた。
そんな大人顔負けな学の姿を、横道は信じられないものを見るような目でアワアワと眺めていた。
『家庭教師』のレビュー
この話は客の横道さんが最後アワアワと青ざめて終わるので一応バッドエンドなのでしょうが、あまりバッドエンド感は感じませんね。
というのも個人的には横道さんの息子の学君は家庭教師に遊ぶ楽しさも教わったし、それによって成績も上がったし、さらにはマーシ"ャンの才能も開花したしでいい事づくしなのでは?と思ってしまいます。
横道さんがちゃんと学君をプロの雀士にでもさせるために今のうちに動いてあげれば、学君は将来プロとしてやっていけそうですし普通に真っ当な道を歩んでいけそうです。
…と、今の時代を生きる私的には思ってしまいますが、もしかしたらこの話が放送された1992年(平成4年)的には、『子供なのにマーシ"ャンが異様に強い、子供を将来雀士に!』みたいなことは世間体が悪いことだったのかもしれませんね。
…うーん、今の時代だったら動画サイトとかeスポーツとかもありますし、普通に子どものままでも表舞台で天才キッズとして注目されてやっていけそうなのですけれどね。
惜しい感じです。
それにしても、『笑ゥせぇるすまん』は時代を先取りしていますね。
この話が放送された1992年はまだゆとり教育が始まっていない頃ですが(ゆとり教育が本格的に始まったのは2002年だそうです)、喪黒さんが、
「それに私も最近の受験一辺倒の学校教育には疑問を持っていたのです、ゆとりを持ってそれぞれの子供の才能を伸ばす教育がなされるべきですよぉ」
と、ゆとり教育の先駆けのようなことを言っています。
第104話『夢の楽園』の中にバーチャルリアリティが出てきた時も思いましたが、笑ゥせぇるすまんはちょいちょい時代を先取りしているのですよね。
すごいです。
「ゆとりを持ってそれぞれの子供の才能を伸ばす教育がなされるべきですよぉ」
という喪黒さんの言葉通り、学君は遊びというゆとりをもって勉強をして無事にマーシ"ャンという才能を伸ばせたわけなので本来は大成功のハッピーエンドなはずなのですが、やはりゆとり教育がまだ始まっていないこの時代的にはこの終わり方はバッドエンドなのでしょうね。
時代は先取りしていますがまだ人々の価値観は先取りできていない終わり方…なんだか興味深いです。
しかし喪黒さん、「ドーン!」で横道さんを学君がいる場所に飛ばしてあげるの優しいですね。笑
あと最後、喪黒さんが去って行くシーンで街のビルがマーシ"ャン牌になっているのがとてもお洒落でした。
こういう工夫は楽しいですね。
引用元:笑ゥせぇるすまん『家庭教師』
【全話】『笑ゥせぇるすまん』のネタバレ・レビュー
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