引用元:笑ゥせぇるすまん『邯鄲の夢枕』
今回はアニメ『笑ゥせぇるすまん』の、
「第122話『邯鄲の夢枕(SP)』のネタバレ・レビュー」
についてご紹介していきたいと思います!
「この話の流れを簡潔に知りたい」
「この話のおさらいをしたい」
「この話のオチってどんなだったっけ?」
と気になる方はぜひご覧ください。
あらすじ・レビューにネタバレを含みます。
セリフは省略しているため一語一句同じではありません。
ご了承ください。
『邯鄲の夢枕』はこんなお話
バドエン度 ★★★☆☆
怖さ度 ★★★☆☆
グ口度 ☆☆☆☆☆
『邯鄲の夢枕』のあらすじ
人生がパッとしない、サラリーマンの霞 忘作(かすみ ぼうさく)51歳。
霞は仕事ができず上司や部下からバ力にされ、また妻や娘からはうっとおしそうに蔑ろにされ、会社にも家にも身の置き所がなかった。
そんな霞はパットしない現実を払拭するかのように、いつしか眠ると毎回同じ夢ばかりを見るようになる。
夢の中で霞はイケメンになっており、そして夢の中には毎回夢子という若くて綺麗な女せいが出てきた。
夢子は霞のことを「おじさま」と呼び、「大好き…」と言って頬を赤らめる。
そんな夢子のことを霞は「夢子ちゃん」と呼び、大事そうに抱きしめる。
しかし夢の中の夢子はいつも、
「…さようなら、さようならおじさま」
と、悲しそうに言って突然パッと消えてしまう。
霞は消えた夢子を探して夢の中を必タヒに駆け回る。
霞がいつも見る夢は、そんな甘い空気から一転絶望に落とされるような悪夢だった。
そんな霞は、ある日電車の中で喪黒福造と出会う。
「会社にも家にも身の置き所がなくて、だからせめて寝てる時だけでもいい夢を見ようと思ってるんですが、それも…」
と、現実も夢の中もうまくいかないと嘆く霞に、
「それは辛いですなぁ、よろしい私がひとついい夢を見せて差し上げましょう」
と喪黒は言い、
「これを使ってください」
と、邯鄲(かんたん)の夢枕と呼ばれる枕を差し出す。
「唐の時代、邯鄲という中国の田舎町の宿屋で旅の貧しい若者が不思議な老人と出会いました。
『貧しい田舎に埋もれて一生を終わりたくありません、私は出世したいのです!なので長安の都へ行くつもりです』と話す若者に、『それはそれは』と宿屋の老人は感心しつつ、『ま、夕飯の支度が終わるまで少し昼寝でもしたらどうかな?さぁこの枕を使いなされ』と言って若者に枕を差し出します。早速横になった若者はたちまち眠りにつき夢の世界に入ったのです。
若者は夢の中でいろいろな人生経験をします。出世し、結婚し、さらには皇帝の信頼を受け大臣にまでなりました。子供にも孫にも恵まれ彼は幸せな一生を終わるのです。
しかしそれらはすべて夢。起きた若者は『い、今のは夢!?』と混乱し、そんな若者に『さ、もうじき飯が炊けるようじゃよ』と老人は笑いながら言います。
つまり人の一生も飯を炊く間、すなわち一炊の夢でしかないというお話ですなぁ」
と、邯鄲の夢枕について説明する喪黒に、
「そ、それで、これがその話に出てくる夢枕ですか?」
と、霞は訝しる。
「ええ、この枕をして眠ると必ず素敵な夢が見られますよ、どうぞお持ち帰りください、これでいい夢を見て現実の辛さをしばし忘れてください」
と、喪黒は霞に言いつつも、
「ただし、いい夢だからといって続けて何度も見ると大変なことになりますからねぇ、あまりいい夢を見続けると夢に溺れてしまいます、どんなに辛くても人間は現実と戦って生きてゆかねばなりませんから、この夢枕はひとときの安らぎだということを忘れちゃいけませんよ」
と忠告をする。
喪黒の忠告に、
「わ、わかりました」
と、霞は緊張したように返す。
その日から霞は邯鄲の夢枕を使って眠るようになる。
邯鄲の夢枕を使うと夢の中の自分はイケメンになっており、また家族仲も良く、会社の人たちにも認められていて出世もしていた。
いい夢ばかりが見られる邯鄲の夢枕にすっかり気を良くした霞は、隙あらばこの枕で寝ていたいと思うようになる。
しかし家だと少し寝坊をしただけで妻が叩き起こしにくるし、会社の昼休み中も上司の目がありおちおちと寝ていられない。
困った霞は落ち着いて眠れる場所を求めて邯鄲の夢枕を持ってカプセルホテルへと行くが、生憎カプセルホテルは満室だった。
困った霞は仕方なく公園の隅の方のひとけがなさそうな所へ行き、そこで眠ろうと考える。
しかしそこはホームレスの住処だったらしく、霞は怒ったホームレスから、
「そこは俺の場所だ」
と凄まれ、
「なんだこんなものぉ!」
と、邯鄲の夢枕を勢いよく蹴飛ばされてしまう。
飛んでいく枕に、
「ああー!」
と悲痛な叫び声を上げる霞だったが、邯鄲の枕はたまたま通りかかった喪黒に無事にキャッチされる。
「助かりました…」
と胸を撫で下ろした霞は、
「家でも会社でもゆっくり夢を見られないので、安心して眠れる場所を探していたのですが…」
と、困り顔で今の状況を説明する。
そんな霞に、
「ほぉ…それにしてもちょっと夢の見すぎじゃないですか?夢に溺れてしまいますよぉ」
と、喪黒は注意をするが、
「…構いません!私はどうしても現実に馴染めないんです、いっそ夢の世界にずーっといられたらどんなに幸せなことか」
と、霞は切羽詰まったように答える。
必タヒの形相の霞に、
「…夢は夢だからいいのです、人はみな現実の厳しさの中で生きねばなりません」
と、喪黒は説得を続けるが、
「いいんです、私にはこの現実は厳しすぎます、私は何もかも忘れてゆっくり眠りたいんです…」
と、霞は疲れたように肩を落とす。
そんな霞に、
「そうですか、そうまでおっしゃるならよーく眠れる場所へご案内しましょうかぁ?」
と喪黒は言い、
「そいつはありがたい!」
と答える霞に、
「こうなったらとことんいい夢を見てくださーい、ドーン!」
と指を差す。
その日から霞は、とあるビルの屋上のとある小さな一軒家の中でずっと邯鄲の夢枕を使って夢を見続けていた。
夢の中で霞は、
「おじさま、おじさまー!」
と、駆け寄ってくる夢子のことをギュッと抱きしめ、
「おじさま、ずっと、ずっと一緒よね?」
と、泣きながら嬉しそうに聞く夢子に、
「夢子ちゃん、もう絶対に離すもんか!」
と力強く返していた。
夢子とずっと一緒にいられる幸せな夢を見続ける霞は、ヘラヘラと笑いながら寝返りを打つ。
そんな現実世界の霞の顔は皺だらけで、歯は抜けてあたまは白髪混じりになっていた。
『邯鄲の夢枕』のレビュー
この話は第79話『日曜クラブ』と同じく廃人エンドですかね?
なかなか怖い終わり方です。
しかし『幸せな夢ばかり見ていられるのはある意味幸せなのでは?』とも思ってしまいました。
なので喪黒さんの、
『どんなに辛くても人間は現実と戦って生きてゆかねばなりませんから』
『夢は夢だからいいのです、人はみな現実の厳しさの中で生きねばなりません』
などの言葉が割とグサグサと心に刺さりました。笑
『私はどうしても現実に馴染めないんです』と霞さんが言っていましたが、このセリフに酷く共感してしまうくらい私も現実に生きづらさを感じているタイプなので(もしかしたら大多数の人がそう思って生きているのかもしれませんが…)、そんな人間にはむしろこの終わり方はある意味救いなのではと思ってしまいました。
話は変わりますが、この話の冒頭の方の通勤途中の霞さんに喪黒さんが声をかけるシーン(3∶31〜3∶42)
このシーン、街中の滝(どこかのビルに設置してある滝?)の裏から喪黒さんが霞さんに声を掛けてそのまま話し続けるのですが、この時ずっと喪黒さんの顔が流れる水でユラユラと歪んで見えていて『この演出すごくお洒落だな!』と思いました。
喪黒さんの不気味さが際立っているとてもいい演出です(アニメーターさん歪んで描くの大変だっただろうな…すごい)
引用元:笑ゥせぇるすまん『邯鄲の夢枕』
そのあと、
『お詫びにそのあたりでコーヒーでもいかがです?』
と立ち去ろうとする霞さんの肩を掴む喪黒さんが、滝の中をくぐってきたのかびっしょびしょになっているのにも笑いました。
…なんでそもそも滝の裏に立ってたの?笑
あと最後の方のシーンで霞さんが寝ている場所が引きで映されていき、一軒家→ビルの屋上と映っていきましたが、このシーンで思わず、
「いや、どこなの!?」
と、ツッコんでしまいました。
霞さん、一体どこで寝ているのでしょうね。
あの一軒家は喪黒さんが用意した家?
それとあのビルは霞さんの会社のビル?(なんとなく外観が似ている気がしますが、違うかも?)
なんでここで寝てるの?笑
…と最後の最後によくわからない終わり方をしていてちょっとビックリしました。
ビックリしたと言えば、最後に喪黒さんが舟を漕ぎながら去って行く時に、
『長い長い人生も覚めれば一炊の夢、しかし現実の世界を捨てた彼は一生夢路から戻ることはないでしょう。
このテレビを見ているあなたぁ!この世はすべて一炊の夢、たからこそ一生懸命生き抜いてくださーい、オーホホホホホホ』
と、視聴者に話しかけてくるような演出にもビックリしました。
いいですね、こういう演出は好きです。笑
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