引用元:笑ゥせぇるすまん『化けた男』
「第4話『化けた男』のネタバレ・レビュー」
についてご紹介していきたいと思います!
「この話の流れを簡潔に知りたい」
「この話のおさらいをしたい」
「この話のオチってどんなだったっけ?」
と気になる方はぜひご覧ください。
あらすじ・レビューにネタバレを含みます。
セリフは省略しているため一語一句同じではありません。
ご了承ください。
『化けた男』はこんなお話
ハピエン度 ☆☆☆☆☆
後味の良さ度 ☆☆☆☆☆
怖さ度 ★☆☆☆☆
グ口度 ☆☆☆☆☆
『化けた男』のあらすじ
酒もタハ"コもやらない、真面目なサラリーマンの磯部 錦一(36)
磯部は会社帰りに遊びに行くこともなく、いつも真っ直ぐ妻と子供のいる家に帰っていた。
しかし真面目とはいえどこかで刺激を求めているのか、磯部は頻繁に週刊誌を買ってはその中の㊙記事をよく好んで読んでいた。
そんな磯部は、ある日電車の中で喪黒福造と出会う。
「あなたは確かに一見満ち足りた幸せそうな生活を送っていらっしゃる、だがあなたは心の奥で密かに毎日の生活に刺激を、アバンチュールを求めているのです。
だがあなたはそれを実行するだけの勇気はない、だからあなたは週刊誌の㊙記事を読んで絶対安全保証付きのアバンチュールを楽しんでいるわけですね」
と言う喪黒に、図星を突かれたからか、
「…失敬な!僕は帰る!」
と磯部は激昂し、喪黒の前から立ち去ろうとする。
しかしそんな磯部に、
「磯部さん、電車の中でチ力ンを働いたエリートサラリーマンの記事を読んたことがあるでしょう、人間の積もり積もった欲求不満は意外なところに爆発するものですよぉ。
だから磯部さん、今のうちにちょっとした冒険をしてフラストレーションを晴らしたほうがいいと思いますよ」
と喪黒は続け、磯部はその言葉に何か思うところがあったのか『ギクリ…』と立ち止まってしまう。
結局喪黒に脅かされた磯部は渋々喪黒の提案を飲むことにし、人生初のアバンチュールに挑戦することにする。
アバンチュールを決心した磯部に、
「あなたのような人がアバンチュールをするにはちょっとした工夫がいります、変装して磯部錦一と別な人間になるのです」
と喪黒は言い、磯部に派手な茶髪のカツラとサングラスを渡す。
次の日磯部は会社帰りに公衆トイレへと寄り、早速喪黒から渡されたカツラとサングラスを付けて変装をしてみる。
簡易的な変装だったが何だか別人になれた気がした磯部は、そのまま勇気を出して夜の繁華街へと行く。
今まで踏み込んだことのない世界に怯えながらも、
「な、何をビクビクしてるんだ…お前は磯部錦一じゃないんだぞぉ…!」
と自分を鼓舞しながら、磯部は目に付いたキャハ"レーへと入ってみる。
キャハ"レーへと入った磯部は最初こそギクシャクしていたものの、次第に変装しているからか酒が入ったからか気が大きくなり、
「…へへ、何でもないじゃないか」
と呟き、
「さぁ!じゃんじゃん呑むぞー!」
と、調子に乗って店の女の娘の肩を抱き始める。
その日から磯部はすっかりアバンチュールにハマってしまう。
毎日のように会社帰りに変装をして繁華街で遊び回る磯部は、次第に家へ帰る時間も遅くなっていった。
優しい妻と可愛い娘のいる我が家だったが、磯部には新しい遊びの方がずっと刺激的で楽しかったのだ。
また磯部は変装をして別人を演じている時だけは気が大きくなり、態度がどんどんと横柄になっていった。
そんなある日、磯部は繁華街で遊んでいる最中に再び喪黒と出会う。
「いや〜喪黒さん、まるで別の世界が開けたようですよ、僕はいま毎晩が新しいアバンチュール旅行をやってるようなもんです、明日はどんな経験をするかと思うと毎日毎日が嘘のように新鮮ですよぉ」
と嬉々として喪黒にお礼を言う磯部に、
「それじゃあどうですかなぁ、あなたの変身をもっと完全なものにしてみませんか?
今度は磯部錦一じゃない、変身した方のあなたにもちゃんとした家と生活を持つのです。」
と、喪黒は提案する。
「ええ!?」
と驚く磯部に、
「あなたは一人の男なのに二人の男の人生を同時に経験できるわけです」
と喪黒は続ける。
「ふ〜ん、僕は一人なのに二人の男の生活を…」
と磯部がまんざらでもなさそうな顔をすると、
「実は磯部さん、もしあなたがその気ならもうちゃんとアパートを用意してあるんですよ」
と、喪黒はある住所が書かれたメモを見せてくる。
用意周到な喪黒に磯部が驚いていると、
「このアパートに『田辺順吉』という名前で部屋を借りてあります。つまりその姿のあなたが田辺順吉というわけです」
と喪黒は言い、
「さぁ田辺順吉さん、ぜひ行ってみてください、ドーン!」
と、磯部に指を差す。
その日の夜、磯部は喪黒に渡されたメモに書いてあったアパートへと行く。
『田辺順吉』と表札が出ている部屋を見つけ、
「ここだ…」
と、田辺はその部屋へと入る。
しかし部屋の中には、女せいと4人の子供が住んでいた。
「…こ、これは失礼!部屋を間違えたようです」
と慌てて出ていこうとする磯部だったが、そんな磯部の足元に、
「父ちゃん、おかえりなさーい!」
と、子供たちが纏わりついてくる。
何故か父親扱いしてくる子供たちに磯部が驚いていると、
「お前たちおやめ!父ちゃんは疲れてるんだよ!」
と、女せいも何故か磯部を夫扱いしてくる。
訳が分からないと戸惑う磯部に、女せいはヒ"ールを注いで笑顔で勧めてくる。
磯部は戸惑いつつも、
『これが田辺順吉の生活なのか…』
と居心地の良いその家の雰囲気に早くも馴染み、満更でもなさそうにその家での生活を始めるのだった。
一方その頃、磯部の妻と子供は帰ってこない磯部を心配し、
「パパ、どこへ行っちゃったんでしょうね…」
と、顔を曇らせていた。
そんな磯部家の前を通りすがった喪黒は、
「そのうち田辺順吉の生活が嫌になったらたぶんまた戻ってくることでしょう」
と、独りごちながら去っていくのだった。
『化けた男』のレビュー
別人になってアバンチュール…ちょっと楽しそうだなと思いました。
別人になったつもりで羽目を外して遊び回れたら最高ですよね。
実際にやろっと思ったらなかなか難しそうですが…。
ちなみにこの話の客の名前の『磯部 錦一』は、『石部金吉』を文字っているようですね。
『石部金吉』とは、石や金のようにお堅く真面目な人、生真面目で融通の利かない人を指す言葉だそうです。
『石部金吉』の言葉通り、せっかく今まで真面目に生きていたのにアバンチュールにハマり家族を捨てた形になってしまった磯部さん。
…しかしこの話はそこまでバッドエンドに見えないですね。
というのも、田辺順吉として行った先の家の女せいと子供たちが普通にいい人たちだったので。
『笑ゥせぇるすまん』の場合、喪黒さんに勧められて行った先の住人がヤバい人たちで客は最後に青ざめて終わる…というのが割とセオリーですが、このお話はこれに当てはまらないためまだマシに見えます。
ただ最後喪黒さんの言っていた通り、田辺順吉としての生活が嫌になったら磯部家に戻り、磯部錦一としての生活が嫌になったらまた田辺家に戻りなんていうのを繰り返していたらやがてどちらの家族からも嫌われて最終的には独りぼっちになってしまいそうですがね。
なのでバッドエンドに見えないとはいえ、真綿で首を締めるようにジワジワと破滅に向かっていっている気はします…。
磯部さん、あんなに優しい妻と可愛い娘がいるのに本当にもったいないですね。
まぁ全部ちょっかいをかけてきた喪黒さんが悪いのですが…。
あ、そういえばこの回は(恐らく)喪黒さんが初めて「ドーン!」した回ですね。
今までの1話〜3話は「ドーン!」なしでしたが、ここにきて初めて「ドーン!」しました。
初「ドーン!」だからか気合が違う気がしました。笑
指を差された時の磯部さんのショック具合もすごかったです。
「ウ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ーーー!?」って。
ちょっと面白い。笑
引用元:笑ゥせぇるすまん『化けた男』
【全話】『笑ゥせぇるすまん』のネタバレ・レビュー
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